先日リリースが予告されたKanye WestとChance The Rapperによるコラボアルバム『Good Ass Job』。それと前後してアナウンスされたKanye自身のソロアルバム『Yandhi』も注目の的となっているが、古くからのKanyeファンにとっては『Good Ass Job』というタイトルに決まったことが特に話題となっている。そんな状況を受けて、DJBOOTHにてKanyeと『Good Ass Job』を巡る歴史を紹介した記事が公開されている。
元々、Kanye Westが4枚目のアルバムを『Good Ass Job』というタイトルにしようとしていたというのは有名な話である。『Good Ass Job』はデビューアルバム『Collage Dropout』から始まり『Late Registration』『Graduation』と続くシリーズのクライマックスとして作られる予定だった。大学を中退した後に再入学し、卒業、そして仕事に就くという流れがこの四枚で出来上がるはずだったのだ。2003年、『Collage Dropout』がリリースされる以前のMTVのインタビューにおいて、彼は既に『Collage Dropout』から『Good Ass Job』までの4枚の構想を口にしている。
しかし2008年、母親のDonda Westの死と当時の恋人Alexis Phiferとの破局が重なったことでもはや『Good Ass Job』という気分になれるはずも無かったKanyeは、オートチューンのかかったボーカルを多用したエポックメイキングなアルバム『808 & Heartbreak』を完成させた。今までの作風とは打って変わった内省的で繊細な世界観の同作はファンを多いに驚かせ、予告されていた『Good Ass Job』を望む者も多かったという。
その後も、かの有名なVMAでのTaylor Swiftとの騒動などを経つつ次回作の制作に取り組んでいたKanye。Big Seanが「Kanyeの次回作は『Good Ass Job』だ」と暴露した他、Billboardも次回は『Good Ass Job』がリリースされる予定だと報じたため、ファンは「次こそは『Good Ass Job』が聴ける」と考えた。しかし、2010年にKanye自身がTwitterにてその説を否定、その後言わずと知れた名盤である『My Beautiful Dark Twisted Fantasy』が5枚目のアルバムとして発表された。
以降『Good Ass Job』を望む声は少なくなっていたが、先日、Chance The Rapperとの共作としてとうとう『Good Ass Job』のリリースが予告されたという訳である。10年以上の時を経て再びKanye本人からのアナウンスが為されたということで、古くからのファンは色めき立っている。
あまりに多くの紆余曲折の果てに作られた『Good Ass Job』は果たしてどのようなアルバムになるのだろうか?そして、本当に今度こそは『Good Ass Job』がリリースされるのだろうか?