人間の精神的治癒のシステムをテーマに制作を行っているアーティストの多和田有希による個展『悪魔祓い、系統樹、神経の森』が、8/25(土)から東京・恵比寿G/P galleryで開催される。
芸術療法や民間信仰のリサーチをもとに多和田は、自らの撮影した写真表面を削る、燃やすなどするユニークな手法を用いて作品を制作している。
具体的には写真制作をはじめる過程で、多和田は撮影時に感じ取ることはできたが、写し取ることができなかった被写体の深層心理や無意識の領域を、フィジカルで触知可能な「像」に変容させようと、自らの手を使って、写真プリントの一部を焼く、切断 、または針やヤスリ、消しゴムでイメージを削り消失へと向かうプロセスを繰り返す。これを多和田は作家が対象を選択したときから続く経験や感情を開示する儀式や、セラピーに近いものであると考える。
本展では打ち寄せる波のイメージを母と共に焼いたシリーズ「I am in You」や同じイメージに異なる加工を施した《ID (transition)》などを中心に構成。
再生されたイメージの断片からは、かつてそれらがまとっていた社会的背景やカテゴリーは失われ、世界と接続しながらも、きわめて個人的な心象や感覚をベースとしたファンタジーが立ち上がる。
Info
多和田有希 個展『悪魔祓い、系統樹、神経の森』
会期:2018年8月25日(土)- 9月29日(土)12:00-19:00 日月休廊
会場:G/P gallery (東京都渋谷区恵比寿1-18-4 ナディッフアパート 2F)
関連イベント トークイベント:追って発表いたします。
オープニング・レセプション: 日時:2018年8月25日(土)19:00-21:00