Lil PumpといえばいわゆるSoundCloudラッパーの代表格であり、まさしく若者たちが聴く音楽といったイメージが強い。しかし、そのシンプルなリリックと激しいサウンドは時にパンクを聴いて育った世代をも魅了するようだ。
Nirvanaの元メンバーで、現Foo FightersのフロントマンであるDave GrohlがRolling Stoneのインタビュー上でLil Pumpがお気に入りであると発言した。
Dave Grohlは、「俺とPat Smear(NirvanaのサポートメンバーでFoo Fightersのメンバー)は二人ともLil Pumpの大ファンになったんだ。例えば、Germsのレコードを昔ながらの音楽教育を積んだミュージシャンの父親に聴かせるような気持ちになるからな。パンクロックを聴いていたキッズだった頃、俺が望んでいたのはノイズと反抗だった」とパンクロックを聴いてきた自身の少年時代を回顧している。
「誰かがあの頃の俺のレコードコレクションを漁ったら、きっと『こんなの雑音じゃないか!』って思うだろう。俺はトラップビートといかした808が大好きなんだ。”Gucci Gang”に関して特に気に入ってるのは、あの曲の長さが2分間だってところだな。」と、Lil Pumpを聴くことで自身の少年時代を思い出したことを語っている。
Dave Grohlは今年の初めにも、BRIT AwardsでのインタビューにてLil Pumpのファンになったことを明かしていた。Daveは「俺はLil Pumpの世界に吸い込まれて、動けなくなっちまったんだ。出られないんだよ!」と、いかに自分がLil Pumpに夢中になっているかを語り、「どうして俺たちにはあんなヤバい曲が書けないんだ」とまで述べている。
Lil Pumpは音楽性のみならずその言動から賛否両論となることが多いラッパーだが、Dave Grohlはそのような部分からも自身が青春時代を共に過ごしたパンクバンドを思い出したのだろう。
Dave Grohlたちの世代が子どもの頃聴いていたり同時代を共に過ごしたようなアンダーグラウンドのバンドたちはドラッグなどの問題行動を数多く起こしてきたが、現在ロックバンドの代わりにそのような役割を果たしているラッパーたちを見て、80〜90年代に青春時代を過ごした世代が懐かしい気持ちになるということもあるのかもしれない。