4月に初のソロアルバム『137』をリリースしたKANDYTOWNのビートメイカーMIKIが、音楽ストリーミングサービスAWAでプレイリスト『NOW PLAYING』を公開、アルバムについても語っている。
取材・写真 : Toru Miyamoto
タイトルとなっている『137』についてはMIKIは、「今って宇宙ができて137億年らしくて。137億年の結果の、“今”っていう意味を込めました。ジャケットの写真は3歳の頃の自分ですね。1995年です」とコメントしている。
ソロアルバムについては、「音楽始めたときから、ソロアルバムは出したいって思ってました。プロデューサーの人ってコンピレーションアルバムとか出すじゃないですか。おれもそれをやりたかったんです。けど、出すなら、玄人のヘッズに納得してもらえる作品にしたかったんで、半端なものにはできないなと。周りのアーティストで、リリース日を設定して、焦って作るのを見てたりもしたんで、そういう風には出したくないなって。納得いくものに仕上がってから、リリース日とかは考えたいって思ってました。今年で26歳なんですけど、本当はこれを21、22歳くらいで出したかったですね。クオリティを求めたら5年かかっちゃいました(笑)」と以前からずっと計画はしていたものだと述べている。
同作にはKANDYTOWNのIO、Ryohu、MUD、Dony Joint、DIANをはじめ、NIPPS、B.D.、仙人掌、BES、今年2月に逝去したFebb As Young Masonなどが参加しているが、そのラインナップについては、「おもしろいっすよね。おれもそう思います(笑)。Febbとは昔から交流があって。お互いの実家に泊まりあったりする仲でしたね。NIPPSさんは、おれのお母さんと同い歳でした(笑)。あの年齢になっても、あの人しか書けないような歌詞で、もう最高ですよね。仙人掌さんは、Febbが繋いでくれたんですよ。Febbの"Yellow x Black"のPVで、なぜか、おれと仙人掌さんがピックアップされて。そのときに初めて話したんですけど、めちゃくちゃ良い人で。それで今回のアルバムで、いっしょに曲作りたいですってお願いしました。仙人掌さんと作るならBESくんだなって思いましたね。BESくんは出所した日に、おれが働いてる渋谷の服屋に遊びにきたんですよ。塀の中でKANDYTOWN聴いてましたって言ってくれて。いやいや、おれは昔からBESくん聴いてましたよって感じで(笑)」
さらにRaz FrescoとChelsea Rejectの2人のNYのラッパーの参加については、「Razは、あいつが17歳のときからYoutubeでチェックしてて、超かっこいいので一緒に曲作れたらなーと思ってたんです。なので日本に来るタイミングに、コンタクト取って、そのときにChelseaも来てて、そこで出会いました。話したら良いヤツで、一緒にスタジオ入ったんですけど、ヤツらとのレコーディングは早かったすね。RazとChelseaが20分でリリックをすぐ書いて、20分でレコーディングして。やっぱ向こうのラッパーは書くのが早くて、KANDYTOWNでいったら、MUD、GOTTZ並です。12曲目の"Raindrops"は、ニューヨークのつんとした雨をイメージしたんですが、Chelseaがばっちり決めてくれてましたね」と話している。
今回作成したプレイリストについては、「今回は最近聴いたのをピックした感じですね。昔からの曲とか選び出したら、きりがなくなってきちゃって。昨日の夜中もひとりでやってみたんですよ。紙2、3枚分くらい作っちゃって、ダメだって思いました(笑)。ロックでまとめたり、ソウルでまとめたり。今回作ったのは、ヒップホップ多めで、R&Bも入ってますね。プレイリストに入れた、6ix9ineは待ってました!って感じですよね。M.O.P.やDMXとかのシャウト系のラップ好きなんです。アルバム『137』の楽曲からも"¥en"と"Raindrops"を入れたんですけど、"¥en"のビートはFebbと作ったやつなんですよ。この2曲は違和感ないかなって思って入れましたね。あと、おれの一押しは、Mahaliaです。最近いちばん好きなんですよ」と最近のフェイバリットチューンをチョイスしたと答えている。
さらにストリーミングサービスについては、「音楽が広まるって意味で良いことだと思います。結局、なにやっても良いことと悪いことってあると思うんで。たくさんの人がいくらでも聴けるってのが良いですよね。悪いことはアーティストに還元されてるのかなって。けど、ちゃんと還元されてるっぽくて安心しました(笑)」とも述べたMIKIは、最後に「2枚目をもう作ってます。9曲くらいできてて、1曲はレコーディング終わりましたね。ちょっと、いろいろあって来年ですかね(笑)。2枚目もヘッズが聴いて納得できるものにしたいっす」と今後の展望を述べて締めくくった。