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アメリカのヒップホップと「ドラゴンボール」との関係を紹介する動画が公開

hiphop dragonball

歌詞サイトのGeniusが、「Hip Hop's Love For 'Dragon Ball'(ヒップホップのドラゴンボールへの愛)」という特集動画を公開した。「ドラゴンボール」シリーズは日本人にとって馴染み深いアニメであるが、「ドラゴンボールZ」はアメリカでも90年代後半にCartoon Networkで放送されていた。これを観て育った当時の子どもたちが現在ラッパーとなり「Goku(悟空)」や「Super Saiyan(スーパーサイヤ人)」といった単語をリリックの中で引用しているという。

Geniusは下のビデオで、「ドラゴンボール」がどのようにヒップホップの歌詞に取り入れられているのかについて紹介している。動画では、Frank Oceanの “Pink Matter” featuring André 3000 からSik Worldの“Dragon Ball Z Rap” まで様々な曲が紹介されている。チェックしてみてほしい。

 

 

ドラゴンボール関連の単語の使用頻度についてのグラフ(Genius調べ)

上のビデオでは、Cartoon NetworkのクリエイティブディレクターであるJason DeMarcoの言葉が引用され、「ドラゴンボールZ」は"自己強化の物語(Empowerment Fantasy)"としてヒップホップに引用されているという。Jason DeMarcoによれば、様々な逆境を(時には死さえも)乗り越えながら次々と試練に打ち勝っていく主人公・悟空の物語は、「無力さ」を感じていた当時の多くのマイノリティの子供たちに愛され、現在ヒップホップ・アーティストになった彼らがヒーローたちをラップの中に登場させるようになったのだという。

動画で解説されている、それぞれの「ドラゴンボール」キャラクターの引用の例についてここでも紹介しよう。

まず、主人公である悟空は「力」の象徴として、また「暴力」や「ドラッグ」を示すものとしても用いられているようだ。

ここでは、Chuck Inglish Feat. Vic Mensa, Retch, Hassani Kwass & Sulaiman "Money Clip"やDomo Genesis Feat. Remy Banks "More Clouds"、Vince Staples "Baretta Scott King"、Young Lean "God Only Knows"などが挙げられている。

一方、悟空のライバル的存在であるベジータは「優越感」や「残忍さ」の引用としてラップで用いられることが多いようだ。例として挙がっているのは、86 Feat. Stampface, ZN & Scrams "Crash"やDJ Holiday Feat. Ca$h Out & Migos "Trap House"、Sik World  "Dragon Ball Z RAP"など。

Sik World  "Dragon Ball Z RAP"

I feel like GOKU,any villian I'll beat cha
I'm the strongest you're second like VEGETA

(俺は気分は悟空のよう、どんな悪も倒す。俺が最強で、お前はベジータみたいに2番目だ。)

また、"スーパーサイヤ人への変身"は「ドラゴンボール」において重要なテーマであるが、これは「自身の変化」や「パワーアップ」などを示す単語として使われているよう。Joey Bada$$ "Catharsis"、Wale "Walk 'N Live"、Earl Sweatshirt "Kill"などがここでは挙げられている。

Joey BadA$$ "Catharsis"

Super Saiyan whenever the loops be playing

(ループが流れると、いつでもスーパーサイア人になれる。)

さらに、悟空の親友であるクリリンは「戦闘能力の低さ」や「坊主頭」の象徴、フリーザは「悪」や「ジュエリー」を示すもの、また悟空の息子である孫悟飯については「遺伝」の象徴としてラップに登場していることも紹介されている。

シリーズ最大の悪役である魔神ブーについては、彼の特徴であるピンク色がラップで引用されており、Frank Ocean  “Pink Matter” featuring André 3000のリリックにも魔神ブーのピンクが登場しているようだ。

詳細はビデオでチェックしていただきたい。

 

(辻本秀太郎)

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