先日公表された調査によると、医療用大麻の合法化は凶悪犯罪を減らす効果があることが判明した。
メキシコと隣接している州は、医療用大麻が合法化されると凶悪犯罪の数が約13%減少するという研究結果が発表された。
イギリスの新聞『The Guaridan』によると、米国で消費される大麻の大部分はメキシコから輸入されたものだという。合法化されたアメリカの大麻が市民に出回ると、メキシコからの麻薬密売を防ぐ効果があるそうだ。麻薬密売の組織はコカイン、覚醒剤、ヘロインなど他の麻薬も輸出しているが、米国では大麻が最も流通している麻薬である。そして、大麻が麻薬密売組織にとって最も利益率の高い麻薬である。1ポンドの大麻は約6千ドルで売買されるが、生産には75ドルほどしかかからないという。
研究グループは1997年から2012年にかけて収集された調査データを分析。カリフォルニア州では犯罪行動に大きな変化が起こっているとのこと。カリフォルニア州が医療用大麻を合法化してから15%凶悪犯罪が減少したそうだ。強盗が19%、殺人が10%減少と、様々な犯罪の中でもこの2種が急激に減少していることが判明。
さらに驚くことに麻薬売買に関連する殺人は41%減り、約半分にまで減少。
しかしながら、大麻が合法化されても犯罪率にあまり影響の出ていない州もある。アリゾナ州は米国の中で最も変化の少なかった州であり、医療用大麻が合法化されてから麻薬関連の犯罪は7%しか減らなかった。
今回の研究メンバーの一人であるEvelina Gavrilovaは「こんなにも結果が明らかなので、大麻を違法とするより、合法化し税収を得たほうがよい」と主張する。そして、医療用大麻を生産する農場は、メキシコの麻薬密売組織の競合相手となり、麻薬密売組織の資金源を断つことができるという利点があると述べている。