2017年も音楽、ファッション、それぞれのシーンの内外で様々なトピックが生まれた1年だったのは間違いなし。そんな1年をFNMNLに振り返る企画『2017 Best Or Worst』。アーティストやデザイナー、ショップオーナーなど様々なジャンルで活躍する方々に、個人的なベスト、もしくはワースト、もしくはその両方をピックアップしてもらい激動の2017年を回顧する。
ビートメイカーで今年は自身のレーベル粗悪興業から、全曲自身のプロデュースによるMinchanbabyの3rd Album 『たぶん絶対』をリリースした粗悪ビーツの今年のベストは?
2017 Best by 粗悪ビーツ
稀勢の里横綱昇進
コメント
大相撲ファンになり15年以上が経過しましたが、これまでで一番嬉しかった出来事だったのでベストとしてあげました。
僕が稀勢の里の取組を見るときは正座・祈りながらが基本なんですが、そこまでするようになった理由はというと、年齢が同じで勝手に親近感を持っていたことと、自分よりも強い相手に何度負けようが向かっていくところに鼓舞されたからです。
他にもあります。
稀勢の里は潜在能力は抜群なのにプレッシャーに弱く、優勝が見えてくると途端に格下に負けることが結構な頻度であります。
そんな時はこちらもひどく落ち込むのですが、優勝が遠いてしまった翌日、プレッシャーから解放された途端に横綱相手に圧勝したりします。
このギャップがたまらないのです。
何年も大関の地位で相撲を取り続けてた稀勢の里ですが、2016年に入ると成績が安定し始めます(2016年より前の数年間は、暫く見てなかったのでこの辺は違ってたらすみません)。
毎場所(大相撲は2ヶ月に1回開催されます。1回につき15日間あります)13〜10勝するようになります。
ファンの間でも横綱いけるんじゃないかと期待が高まるのですが、毎場所いいところまで行っては負けてしまうを繰り返しました。
史上最強との呼び声高い白鵬がいるので横綱になる最低条件の優勝ができないのです。
昨年は優勝できそうでできないというファンにとってはフラフラになるような1年間でした(毎場所優勝がかかる一番の前日は、取組の夢を見ては魘されて起きるという経験をしていました)。
しかし、個人的には2016年11月開催の九州場所で次のステージに進んだなと感じました。
というのも、3人いる横綱全員に勝ったからです。この場所も格下に負けてしまったため優勝はできませんでしたが、2016年の総決算と言える場所だったと思います。
そして、この年は一度も優勝したことがないのに年間最多勝を取るという偉業を成し遂げました。
それくらい安定感の出てきた1年でした。
今年はどうなるかと思って見ていた1月開催の初場所。
稀勢の里は前半戦を無傷で終えたのですが、後半戦でいつもの緊張からか琴奨菊(あまり好調ではなかった)に負けてしまいます。
白鵬がジリジリ追い上げてきてたので(確か前半戦で2敗していた)、また今場所もダメかと思った14日目。
現在、不本意な形で注目をされている貴ノ岩が、星の差2つで追いかけてきた白鵬を寄り切って勝ちました。
※白鵬が負けたことで千秋楽での稀勢の里との直接対決に勝ったとしても、稀勢の里の方が勝利数が多くなります。
ついに、初優勝が決まりました。
稀勢の里がインタビューの時に流した一筋の涙を、僕は一生忘れることはありません。
初優勝の翌場所には、大怪我をしながらの大相撲史に残る逆転優勝を成し遂げました。
しかし、その後は怪我が治ってないのに出場したため、案の定負けが込み途中休場や全休を繰り返してしまい、残念ながら次回出場する時は「進退」をかける、つまり、好成績を残せなかったら引退を迫られるまでになりました。
稀勢の里とファンにとっては天国と地獄の両方を味わうことになった2017年でした。
来年の告知
・粗悪ビーツ 2ndアルバム『ハイパー・ドラゴン(仮)』
最後に、Vincent Radioにて阿部周平さん、Wardaaさんと3人でやった『粗悪興業通信ラジオ版』も好評だったので続けていきま〜す!
来年も粗悪興業をよろしくお願いします!
粗悪ビーツ