先週、9枚目のオリジナルアルバム『Utopia』をリリースしたビョークが、Fact Magazineの取材で、Wu-Tang Clan愛やRZAとコラボレーションをした過去について明かした。
RZAとのコラボレーションというアイデアは、20年前のアルバム『Homogenic』における音楽制作プロセスでのフラストレーションから来たものだという。
ビョークは以下のように語っている。
「私が当時やりたかったことは、アイスランド的な、ヴォルカニックなビートを入れるということだったのだけど、とても苦戦していた。アルバムのビートを作るのに、とても時間がかかってしまったの。そして時々、私はせっかちになって他人にその作業を任せたくなってしまう。私はただ座って、指示をしながら誰かにやってもらうの。その当時私はスペインにいて、Wu-Tang Clanもスペインに来ることになっていて、RZAに会うことになっていたわ。だけど、数ヶ月があっという間に経ってしまい、アルバムは完成してしまったの。その時、RZAは「俺は準備できてるよ!スペインに行こうか?」という感じだったわ。」
最終的には、ビョークがニューヨークに赴くことになったようだ。彼らはそこで初めてのコラボレーションを実現させた。しかし残念なことに、そこでの曲はまだ陽の目を見ていない。
「マジックを起こそうと思わないでマジックを起こしてしまうことがある。そして、その時私たちが作ったものはそうだったと思うの。でも、それは『Homogenic』に入るようなものではなかったし、Wu-Tangがやろうとしていたことの一部になるようなものでもなかった。」とビョークは語っている。
現在私たちがこの貴重なコラボレーションを聴く手段はない。将来これが世に出ることを願うばかりである。