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慈善家アグネス・ガンド、1億ドル相当のリキテンシュタインの作品を売却し基金創設

アメリカの慈善家で、MoMAの名誉理事でもある女性アートコレクターのアグネス・ガンドが、売却したリキテンシュタインの作品で得たお金を元に、犯罪数を減少させ刑務所人口の増加を止めることを目的とした団体『Art For Justice Fund』を設立したことを発表。

今回売却された作品は、ポップアートの巨匠、ロイ・リキテンシュタインによる傑作、『Masterpiece』(1962)。売値は約1.6億ドル。歴代最も高価な値段で売却された絵画のひとつとなった。この『Masterpiece』をガンドが売却したという噂は今年1月頃から流れていたのだが、売却の意図と購入した人物は、先週日曜日にガンド本人が発表するまで不明であった。

「アートの強い力は正義のためにもなる」というメッセージを世界に示すために今回の犯罪減少をサポートするための基金を立ち上げた78歳のガンド。「死ぬ前に私がやらなければいけないこと」と、使命感を持って動いている。

『Art for Justice Fund』基金は犯罪減少のために活動している団体を支援、現在世界最大である米国の刑務所収容人数の人口を減らし、そして元受刑者が教育と再就職できる機会を与えることを目的としている。

『Art for Justice Fund』の運営はFord財団が行うと発表。Ford財団社長のダレン・ウォーカーは、「他のアートコレクター達が自分の持つ影響力とコレクションを利用することで社会の正義のためになることを気づかせることができる」「アート作品は壁に飾ることで意味を持つが、お金としての価値がついた時にも意味を持つ」とプレスリリースで言及。

ガンドは他のアートコレクター達にもーアト作品の売却による支援を呼びかけている。アメリカのホイットニー美術館の会長Laurie M. Tischを始めとし、すでに多くの有力なアートコレクターがこの基金を支援している。支援しているアートコレクターのドナルド・マロンは「ガンドはこれまでの人生全てをアートのために尽くしてきたが、これからはアートを使って正義のために動こうとしている。人間としてお手本のような人だ」とコメント。

『Art for Justice Fund』は今後5年でさらに1億ドルの寄付を集めることを目標にしている。(小林一真)www.artforjusticefund.org

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