WizkidやMr. Eazi、Ayo Jayなどのスターの登場で注目されているアフロビーツシーン。ナイジェリアなどのアフリカ大陸と同様に、大きな盛り上がりを見せているのがイギリスだ。
元々アフリカからの移民が多かったイギリスで、ダンスホールレゲエやソカ、ラップ、R&Bなど様々な音楽の影響を受けて育ったアフリカ系移民たちが作り上げているのがUKアフロビーツと呼ばれている。
例えば今年デビュー作『Common Sense』をリリースしたJ Husもロンドン出身のだが元はガンビアの移民だ。アルバム『Common Sense』には多種多様なサウンドが詰め込まれている。ヒップホップもあればいわゆるアフロポップ的なサウンドも、そしてグライムの匂いもあるトラックも入っている。では何がUKアフロビーツだと言われたら、そのすべてがUKアフロビーツと隣接するものだ。
マルチカルチュラルなロンドンという街のイメージをそのままパッケージしたクロスオーバーなジャンルこそUKアフロビーツといえるだろう。
そしてそんなUKアフロビーツシーンの今をコンパイルした1枚のコンピレーションがリリースされた。
『MOVES: The Sound Of UK Afrobeats』と題されたこのコンピレーションは、自身もアーティストのAfro BとライターとしてUKアフロビーツシーンをドキュメントしてきた Ian Mcquaidによって様々なタイプのトラックが詰め込まれている。
Afro B自身もFACTのインタビューで、「様々なジャンルから影響を受けた、バラエティーに富んだアフロビーツアーティストを紹介したかった」と述べている。またIan Mcquaidはこうしたコンピレーションを3年前から計画していたと話す。
収録曲はTG Millian, Naira Marley & BLANCOによるスムースな"Money on the Road"や、NSGによるロードラップのスタイルを取り込んだ"We Dey (feat. Kilo Keemzo)"、Afro B本人による多幸感にあふれるアフログルーヴが炸裂するスロージャム"Lover"など全21曲。
これまでのアフリカ音楽という固定概念を崩しながら境界線を広げていく、全21曲をぜひ聴いてみてほしい。