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tofubeatsと関係者がアルバム『FANTASY CLUB』の制作秘話を語ったリリース記念イベントレポート

5/24に待望のニューアルバム『FANTASY CLUB』をリリースしたtofubeatsが、リリース日に東京のRed Bull Studios TOKYO Hallにてリリース記念イベントを開催した。

本イベントは東京のRed Bull Studios TOKYOで開催され、抽選に当選した100人以上が詰めかけた。イベント前半、tofubeatsはデモ音源や未発表曲などを含んだスペシャルDJセットを披露し、後半ではアルバム制作に関わった関係者と制作秘話などを語った。

YouTube LiveとPeriscopeでも同時配信され1万人以上が視聴。Twitterではハッシュタグ #FANTASYCLUB がトレンド入りするなどし、ネット上でも大きな話題となった。

「なかなかiTunesランキング1位が取れないんですよ」という冗談で会場を和ませたtofubeats。終始和気あいあいとしたファンミーティングのような雰囲気でイベントは行われた。

まずはマネージャー兼ディレクターの杉生氏とマスタリングを担当した京都在住のエンジニア得能氏が登場し、tofubeatsとアルバム制作秘話などを語った。得能氏にマスタリングをお願いした理由を、2人が好きな作品を手がけているということや、tofubeatsと同じく関西に住んでいたということもあったと説明。tofubeatsがライナーノーツで書いている「焼豚」についてのエピソードをおもしろく詳しく教えてくれた。

『FANTASY CLUB』のマスタリングを手掛けたエンジニアの得能氏にとって特に思い入れのある曲は”OPEN YOUR HEART”。一番最初に「うわっ」と思った曲であり、この曲が一つのアクセントになっていると感じて、念入りに音を調整したと明かした。この曲はほぼオッケーな状態からさらに4バージョンを作成し、アルバムの中で”OPEN YOUR HEART”がきちんと機能するように調整したと解説。杉生氏も「何度も聞いてほしいアルバムにしたかったのでその点にはこだわった」と振り返った。

得能氏は完成前のデモ音源をtofubeatsから聴かされた後、自主的にマスタリングを行いtofubeatsにそれを聴かせたという。「これまでの人生でそんなこと初めてだった」と語るtofubeatsは得能氏のマスター音源を一つの参考にミックス作業を行うことができて非常に助かったと謝意を述べた。

続いてGraphersrockことデザイナーの岩屋氏が登場。過去のアルバムのアートワークや遡るとtofubeatsのロゴを作成するなど、tofubeatsとは長年の付き合いとなっている岩屋氏は、初回生産分のCDジャケットに使用した紙「竹尾のマーメイド」にこだわった理由などデザインに関するこだわりなどを語ってくれた。

岩屋氏は同じくデビュー前後からtofubeatsのアルバムにイラストを提供している山根氏のイラストを「シンプルにキレイに皿に盛り付けることだけを考えた」と今回のデザインのポイントを語った。

今作のtofubeatsのアルバムのテーマの一つである「気持ち」や「人間味」といったものをどう伝えるか、ということを第一に考えた岩屋氏は山根氏に「手書き」でイラストを仕上げてもらうように依頼。そしてシンプルにイラストのみでCDジャケットをデザイン。マーメイドと呼ばれる高級紙と「UVニス特殊加工」を使いインクの盛り上がりを再現し、手書きの手触りを印刷で残したと振り返った。

山根氏のジャケット用のイラストや、岩屋氏の「明朝体」を基調にしたデザイン案がtofubeatsにとって楽曲制作の終盤に指針となったとコメントした。

また岩屋氏はデジタル配信用のアートワークと印刷用のアートワークの仕上げを微妙に変え、それぞれの環境で手書きの手触りが実感できるようにしたという。(データとCDジャケットを見比べて確認すると明らかに違うことがわかるのでチェックしてほしい)

また、歌詞カードには極薄の紙を使用し、文字組みを不規則にすることで前後の歌詞が透けて見える工夫をこらし、「前後の風景が見通せる」ようなデザインにしたことをtofubeatsと杉生氏に初めて明らかにし、両者は「おしゃれの極み」と感嘆した。

そして最後に“ディスコの神様”、”Don't Stop The Music feat.森高千里”、“BABY”のミュージックビデオを手掛けた森監督が登場。tofubeatsとの打ち合わせの際にアルバムのテーマが「おしゃれと孤独感」と聞いたと明かした。tofubeatsは”BABY”の楽曲制作中に森監督にディレクションしてほしいと考えていたそうだ。

tofubeatsから一つのディレクションとして「白枠」を入れてほしいと言われた森監督はわかりやすい形ではなく、よく見ないと分からない形で白枠をミュージックビデオに入れたとのこと。これもMVを注意して見返してみてほしい。

“LONELY NIGHTS”のMVも作ってみたかったと語る森監督だが、tofubeatsのビデオ編集は抜群に上手であると賞賛。音楽にドラムのタイミングなどにぴったり合わせて映像のカット割りをするとダサくなってしまいがちなのだが、tofubeatsは「ずらしてずらしてハメる」のが上手でと分析。それが『HARD-OFF BEATS』シリーズに活かされているのかもしれない。

最後の質問タイムの前に司会が杉生氏に「杉生氏にとってのtofubeatsとは」という質問をぶつけた。

「tofubeatsは友達でもなく、後輩でもなく、けどアーティストとして尊敬もしている、なんとも言えない存在」

と心の中を明かし、会場は大きな感動に包まれた。

Twitterや会場からは多くの質問が寄せられ、最後に会場に来ていた15歳の男性から「ぼくが大人になるまで音楽続けて下さい」とtofubeatsはエールを受けた。

イベントの最後、tofubeatsは「どういう形でもいいのでアルバムを通しで聴いていただいて、気に入ったら何度も聴いてもらえたらうれしいです」と視聴者と来場者にメッセージを送った。

 

リリースインフォ

tofubeats 『FANTASY CLUB』

1. CHANT #1
2. SHOPPINGMALL (FOR FANTASY CLUB)
3. LONELY NIGHTS
4. CALLIN
5. OPEN YOUR HEART
6. FANTASY CLUB
7. STOP
8. WHAT YOU GOT
9. WYG(REPRISE)
10. THIS CITY
11. YUUKI
12. BABY
13. CHANT #2 (FOR FANTASY CLUB)

ワーナーミュージック・ジャパンより5/24にリリース。

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