聞く音楽のジャンルがマイナーであったり、好きなアーティストの知名度が低いと自慢したくなる気持ちは音楽好きであれば誰もが心当たりあるはずだ。そんな人たちのために、自分の音楽の趣味がどれだけ独特か見極めてくれるアプリ『Obscurify』が登場した。
『Obscurify』は音楽ストリーミングサービス『Spotify』のアカウントを使ってログインすることで、音楽の再生履歴や再生回数のランキングをもとに音楽の好みを分析してくれる。どれだけ楽しい音楽が好きかわかる「Happiness指数」や、踊れる音楽が好きだと上がる「Danceability指数」など聞く音楽の傾向も分析してくれる他に、聞くアーティストの知名度を元にスコアを表示し、全世界のSpotifyユーザーの中で、自分はどれだけマイナーな音楽を聞いている傾向にあるか明らかにしてくれる。
製作者のAlex Oliveroはこのアプリの仕組みについて、「表示されるスコアは、あなたの好きなアーティストの知名度をSpotifyに基いて計算している」さらに「知名度の高いアーティストがあなたの再生ランキングでどの位置づけであるかも大事で、有名なアーティストが再生回数のランキングで上位にいるほどスコアは上がる」と説明している。「DrakeやKanyeやKendrickをたくさん聞けば、どんどんあなのスコアは全世界のSpotifyユーザーの平均に近づく」とのこと。
OliveroはSpotifyを選んだのはSpotifyが持つ膨大なデータ量と使いやすさを考えて当然の結果だとのこと。「テンポ、キー、曲が明るいか暗いか、有名か無名か、などなどあらゆる方向から1曲づつ分析してくれるので、いつもオススメしてくる曲は的確ですばらしい」そして「プログラマーとして、音楽好きとして見たSpotifyのデータは美しいものだった」と語っている。
それを踏まえた上で、OliveroはSpotifyに改良してほしい点をあげた。たまにユーザーの累計トップアーティストのランキングに漏れがあることを改善してくれれば『Obscurify』の精度がさらにあがること。英語圏でのソーシャルニュースサイトRedditの掲示板ではユーザーたちが、Spotifyはアーティストを適切なジャンル分けしないことが多いと批判を受けている。
『Obscurify』の今後の目標は、Facebookとの連携で友達と直接スコアを比較できるようにすることOliveroは考えている。「この目標はこのアプリをプログラミングし始めた当初からの目標だが、ものすごく難しく膨大な時間がかかるので、ちゃんと時間が取れるまでは少しづつ改良していくつもりだ」と語る。
筆者も実際に『Obscurify』を使ってみた。
現在の全世界のユーザーの平均スコアは168で私のスコアは134という結果に。たしかにこれは思ったよりスコアが平均に近いと、自称音楽通としていままで偉そうに語ってきたことが恥ずかしくなってしまう。比較的にバンドを主に聞く私の音楽テイストはエネルギー指数が高くなっている。
最近リリースされたGorillaz、Drake,、Kendrick、The Chainsmokersを聞きすぎて過去6週間のトップ再生数の上位に彼らがいることで筆者のスコアはだいぶ上がっている様子。自分のランキングにいる各アーティストは星の数で知名度を表してくれるのだが、欧米で今流行っているジャンルのアーティストはどれも星が多めなのがわかる。The Chainsmokersのようなここ数年で人気になったメインストリームのアーティストが星5個でBeatlesのような歴史上一番売れたアーティストが星4個なのも面白い。
そしてSpotifyがまだ日本で普及したばかりであることと、日本のアーティストがまだあまり登録されていないので、日本の音楽はどれも知名度が低い扱いとなる。特に日本のヒップホップはどれもほぼ星ゼロなので、日本語ヒップホップ好きなSpotifyユーザーは『Obscurify』を使ったら低いスコアになること請け合いだ。
『Obscurify』は確かに自分の聞く音楽が世界的にどれほどの知名度なのかが分かって面白いが、あくまで「世界的」なレベルでの位置づけになるのでSpotifyが普及しきっていない日本ではスコアが低いことはまだそこまで自慢できないかもしれない。これからさらにSpotifyが国内でユーザー数が増えればさらに的確なスコアを出してくれるだろうし、のちのちFacebookと連携されることも期待できるので今後が楽しみなアプリであることは間違いない。