伝記映画『All Eyez On Me』の公開も迫り、再び注目が集まるレジェンド2Pac。25歳で撃たれて亡くなるまでに、多くのクラシックチューンをリリースし、まだ殺害犯も特定されていない点なども含め、ヒップホップシーンでは永遠に語り継がれる存在であることは間違いないだろう。
最近NYのブルックリン出身のラッパーTroy Aveは4/5にラジオ番組『The Breakfast Club』で自身を「第二の2Pac」と評した。そして、番組MCのCharlamagne Tha Godが2Pacのように外出は避けるのかと質問するとTroyは「良い質問だ、気をつけておくよ」と話した。しかし、Troyの評価とは裏腹に多くのリスナーからは反感を買っているようだ。
How do you guys feel about @troyave feeling like #newpac ? full interview link in bio!
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Troy Ave said he's the new Tupac
Me...... pic.twitter.com/Xqm67fm8O4
— Mr.Gemini♊ (@RonG30) 2017年4月5日
I can't remember the last time Troy Ave made a hit... on any radio station for that matter to say he's the next Tupac. That's disrespectful
— 2Scalez (@HThomas_Jr) 2017年4月5日
「Troy Aveのヒットソングが思い出せない。ラジオ番組でのTroyの発言は2Pacに対する侮辱だよ」
さらに、Troyとはビーフ状態にある、同じブルックリン出身のラッパーJoey Badassも「2Pacを超えた」と先日語り釈明する騒ぎになっていた。JoeyはGeniusのインタビューで「すでにラッパーとして彼を超えた。彼と1対1なら勝てる」と豪語し、「今では『これがベストでいいの?』って感じだ」と語っていた。
しかし後日、別のラジオ番組ではその発言は誤解だとして、「俺にとって2Pacは最も偉大なメンターだ」と釈明する騒動になっている。
さらに、何かと歯に衣きせぬ発言で90年代のヒップホップ好きから目の敵にされているLil Yachtyも2PacやNotorius B.I.G.について自身の見解を語っている。Lil Yachtyは自身が身を置く環境よりも「過去のラップ」に縛られ、自身の楽曲を理解できないリスナーを批判し、さらには2PacとNotorius B.I.G.を「過大評価されている」と語り、さらに90年代のヒップホップ好きの怒りに油を注いだ。そのことをラジオなどでも突っ込まれるようになったYachtyも、その後Biggieや2Pacを聴くようになったと話すようになっている。
現在も収監中で暴れ者の、Kodak Blackはもっと辛辣だ。彼はシンプルに「おれは2PacとBiggieよりいけてるよ」と発言している。ちなみに彼が2016年にリリースしたミックステープのタイトルは『Lil B.I.G Pac.』だ。
2Pacという名前を出したときのファンの反応はいささか過剰とも感じられるが、それだけこのアイコニックなアーティストが愛され続けているということだろう。
2Pacが亡くなって今年で21年。最近のラッパーだけではなく常に2Pacは後進のラッパーたちに比較されてきた。例えばLil WayneはTroy Aveよりはるかに先の2013年に自身を、「新しい2Pac」だと発言していた。また2014年にはKanye Westも2014年に自身を創造的なアーティストだと評し、同じく創造的な先人の名前をあげているが、その中に2Pacも入っている。
常に比較対象にされてきた2Pacだが、現在30代のラッパーなどは2Pacと自分を肯定的に比較しているのが普通であるのに対し、現在10代の2Pacをリアルタイムで知らなかったアーティストや、NY以外をルーツに持つラッパーは、2Pacに対し否定的に言及するパターンも増えてきた。これも時代の流れだろう。
しかし例え否定的であっても2Pacの名前をあげる新世代のラッパーは絶えない。それはブルックリンのラッパーNotorius B.I.G.も同じで、彼ら2人の功績は、今後もヒップホップシーンの話題になり続けることは間違いない。