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Migos以降のアトランタ・ストリートシーンで注目の3人のラッパー

Migos

アトランタの3人組ラップユニットMigosの2ndアルバム『CULTURE』は、ビルボードアルバムチャート1位を獲得。『CULTURE』がビルボードチャート1位に上り詰めたのは偉業だ。それはMigos曰く「PopではなくTrapでやってやったぜ」というように、アトランタという都市が作り上げたローカルなモードを、そのままやりきってヒットしたからだ。

Migosを生んだ現代のラップの多様性を代表する都市アトランタでは、Migos以降を担おうとするラッパーが続々と現れている。次代を担おうとする3人のラッパーを紹介したい。

Rich The Kid

アトランタ出身の24歳。MigosとSkippa Da Flippaが所属する『Quality Control』に所属していたが、2016年の初めにその傘下で自身のレーベル『Rich Forever Music』をスタートさせる。『Rich Forever Music』には他にもFamous DexとJ $tashも所属している。

MigosとはコラボMixtape『Street On Lock』シリーズを5作リリースし、自身のMixtapeでもMigosを客演にした楽曲をリリースしている。その後、Rich The KidはPlayboi CartiやJaden Smith、DJ Mustard、Party Favorなどアトランタの繋がりを重視しつつもジャンルや地域を超えた楽曲をリリースし、最近ではKendrick Lamarとの新曲が噂されている。そんなMigosとの関係の深いRich The Kidの最新Mixtape『Keep Flexin』に収録されている「Dat Way」では彼らの銀行口座やコネクションについてラップし、Migosによって注目を集めた「Bad and Boujee」というリリックも飛び出す。

 

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Hoodrich Pablo Juan

自身のレーベルMONY,POWR,RSPT movementをスタートさせたアトランタの注目ラッパー。過去にPeewee Longway、Jose Guapo、Skippa Da Flippaなど地元の実力派ラッパーと共演。2015年にラップを始めたにも関わらず、ソロMixtapeを5作、コラボMixtapeを4作と驚くべきスピードでリリースしている。過去にMigosとは『Streets On Lock 4』で共演し、1/18にMigosを迎えた最新シングル"I Can"をリリースしている。この曲では、MigosとPablo Juanが抱く最もワイルドな夢を超えたリッチな未来をラップしている。

 

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YFN Lucci

昨年、自身のMixtape『Wish Me Well 2』に収録されているMigosとTroubleを客演に迎えた楽曲"Key To The Streets"がヒットし、ForbesやXXLなど複数のアメリカメディアで取り上げられた2017年注目のラッパー。"Key To The Streets"はプロデューサーにT M88を迎え、QuavoとYFNが多彩なメロディーを歌い上げるアンセムだ。Remixにも2 ChainzとLil Wayneが参加している。最近ではラッパー、Yo Gottiの最新アルバム『White Friday』に参加し、アトランタのラッパー、Rich Homie Quanの新曲"Ya Ya"にフィーチャーされる等ソロは勿論コラボの楽曲でも期待されている。

 

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Migosを始めYoung Thug、Lil Yachtyなどアトランタ出身のラッパーの活躍もさることながら、そのスタイルの多様性にも驚かされる。Rich The Kid、Hoodrich Pablo June、YFN Lucciの3人は、Migos同様共通して根底にあるのはインディペンデントでありストリートであることを誇っている。

YFN LucciはBillboardのインタビューでアトランタのミュージックシーンでの成功の鍵を「自分で音楽をやり、自分が作ったレーンにいることだ」と語る。多くの人間と楽曲を作るのではなく、少なくても信頼できる関係のラッパーといることで円滑に製作が進む。Migosは自身の腕に「No Label」とタトゥーを彫るほどメジャーレーベルに所属しないことを自称している。今のアトランタのラップにはそんなMigosの精神が受け継がれているようにみえる。(野口耕一)

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