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DIC川村記念美術館でアンフォルメルの先駆者ヴォルスの個展『ヴォルスー路上から宇宙へ』が開催

Wols

ヴォルス《無題》 1942/43年 グアッシュ、インク、紙 14.0×20.0cm DIC川村記念美術館 WOLS "Untitled" 1942/43 gouache and ink on paper 14.0×20.0cm Kawamura Memorial DIC Museum of Art

2017/4/ 1(土)~7/2(日)にわたり、千葉・佐倉市のDIC 川村記念美術館にて、激動の時代を生きたドイツの芸術家ヴォルスの個展『ヴォルスー路上から宇宙へ』が開催。会期中は展示室内にて城之内元晴の映画『WOLS』の上映も予定している。

ヴォルス(1913-1951)は音楽と詩に親しみ、独学で絵を描くようになった稀有な芸術家だ。第一次世界大戦後のドイツに生まれ、1930年代にパリで写真家として成功するも、普仏戦争が始まると敵国人として収容所などを転々とする。しかしながら不遇な環境下で描画の才能を伸ばし、第二次大戦後はサルトルら文学者に認められ、死後は「アンフォルメルの先駆者」と評された。

《無題》1942/43年 グァッシュ、インク、紙 14.0 x 20.0 cm DIC川村記念美術館
《裸体の花》1949 / 62年 サルトル『食糧』(1949年刊)の挿絵 ドライポイント、紙 12.3 x 10.0 cm DIC川村記念美術館

日本でも 1950年代にアンフォルメルの作家として紹介され、1964年には東京・南画廊で初めての個展が開催。その際、瀧口修造らが文章を寄せたカタログと画集が出版され、ヴォルスの作品が多くの人の心をつかんでいる。

《ニコール・ボウバン》c.1933 / 76年 ゼラチンシルバープリント 13.6 x 20.2 cm The J. Paul Getty Museum, Los Angels
《ごみのある一隅、浮浪者》1940-41 / 76年 ゼラチンシルバープリント 16.3 x 17.0 cm The J. Paul Getty Museum, Los Angels

本展は写真・水彩・油彩・銅版画、そして言葉と、メディアを横断したヴォルスの作品世界全体を約 120作品で紹介。この規模での展示は、日本でも初めての試みだ。近年は展覧の機会が少ないヴォルスだが、DIC 川村記念美術館所蔵のコレクションを中心に、その深い世界観をあますところなく伝える。(Yuuki Yamane)

INFO:

ヴォルス 路上から宇宙へ

会期: 2017/4/ 1(土)‐7/2(日)

開館時間:9:30-17:00 (入館は 16:30 まで)

休館日:月曜

入館料:一般 1,300 円、学生・65 歳以上 1,100 円、小中高 600 円

会場:DIC 川村記念美術館 千葉県佐倉市坂戸 631 代表電話 0120-498-130

主催:DIC 株式会社

後援:千葉県 千葉県教育委員会 佐倉市 佐倉市教育委員会

監修:千葉成夫氏(美術評論家)

コレクション以外の作品借用先:

国立国際美術館、大原美術館、横浜美術館、J・ポール・ゲティ美術館、個人所蔵家

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