12月16日、オバマ大統領は今年最後となる記者会見を行った。ハイライトはなんと言ってもオバマ氏の露骨すぎるロシア批判だ。ロシアがサイバー攻撃によりアメリカ大統領選に介入したとされる問題に関し、「ロシアがハッキングを行ったと確信を持って言える。これはロシア政府の最高レベルで行われたことだ」と述べ、ほぼ名指しでプーチン大統領の関与を指摘した。が、そんなことはどうでもいい。小ネタ好きの筆者が注目したのは以下の発言だ。
“Democrats are characterized as coastal, liberal, latte-sipping, politically-correct, out-of-touch folks.”
「沿岸部に住んでいて、リベラルで、ラテを飲んでいて、ポリコレで、浮世離れした連中――民主党はそんな風に見られている」
そういう偏見を持った人が多い地域(つまり保守的な地域)へもっと出向いて住民の声に耳を傾けるべきだとオバマ氏は民主党にアドバイスを送ったわけだが、「ラテを飲んでいる」と言われても日本人にはいまいちピンとこない。
実はアメリカでは、ラテ(特にスタバのラテ)は「スノッブ」の代名詞とされる。これを日常的に飲んでいると「お高くとまったキザな奴」と思われてしまいかねない。日本にもいるでしょ。毎朝ビアレッティ製のマキネッタでエスプレッソを入れて「うーん、至福のひと時なり」とかツイートしてる奴。あ、それ俺のことだわ(苦笑)。
それから、「ラテ」と聞くと「ベーシックビッチ(basic bitch)」というスラングをどうしても連想してしまう。ベーシックビッチとは、自分の意見を持たずにトレンドに流されているだけの薄っぺらい人間のこと。ベン・スティラー主演のコメディ映画『ズーランダー No.2』でアリアナ・グランデちゃんがそう呼ばれていたっけ。ちなみに男性形は「ベーシックブロ(basic bro)」。日本にもいるでしょ。フルグラ食ったり、低炭水化物ダイエットしたり、皇居の周りをジョギングしたり、広島カープを突然応援し始めたり・・・。あ、またしても俺のことだわ(涙)。
とにかく、ラテにはそういったネガティブなイメージがつきまとう。要するにオバマ氏は、先の選挙における民主党の敗北を受け、自虐的ギャグを一発かましたというわけ。ラテ好きのオバマ氏が言うから余計に面白い。かつて彼は、コーヒーカップを持ちながら海兵隊に敬礼したことがある。その時の仕草は「ラテ・サルート(Latte Salute)」と呼ばれ、各方面から非難を浴びた。
The White Houseさん(@whitehouse)が投稿した動画 -
ラテに象徴されるように、エリート意識が高くて独善的と思われがちなリベラル派だが、次の大統領選までにイメージを払拭できるだろうか。いや、払拭してもらわないとマズい。さすがにトランプ政権が8年も続くとヤバいっしょ。
それでは皆さん、よいお年を。
(文・まごおりしんぺい)
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