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ヒットの仕掛け人は語る。Rae Sremmurdの「Black Beatles」はどのようにビルボードチャート1位にまで上り詰めたのか?

Rae Sremmurd

Rae Sremmurdが今夏リリースしたアルバム『Sremmlife 2』に収録されている、"Black Beatles"は SNSで大きなムーブメントとなった#MannequinChallengeのサウンドトラックとして使用されたことで、ストリーム再生回数が激増し、ついに先週末のビルボードチャートで1位を獲得した。Rae SremmurdにとってもフィーチャーされているGucci Maneにとっても、初のビルボードチャート1位で、2週間連続で5000万回再生を突破している。ではなぜ"Black Beatles"は、#MannequinChallengeのサウンドトラックになれたのか?そのムーブメントの裏にいる仕掛け人たちのインタビューがPigeons & Planesに掲載されている。

インタビューに登場しているのはRae Sremmurdの所属レーベルInterscopeのGunner Safronと、音楽ブログからスタートし現在はDiploなどとコラボレーションしたアイテムで人気の、ファッションブランドPizzaslimeのメンバーだ。

レコード会社の人間が登場するのはもちろんわかるが、なぜファッションブランドが登場するのだろうか。Gunnerはこう説明している。「僕たちは元々友人で、いつも新しいアイディアについてよく話していたんだ。いつも彼らから影響を受けてきたけど、でもこの曲のキャンペーンについては特に彼らと一緒にやれば上手くいくと感じたんだ。彼らのブランドのやり方とRae Sremmurdがインターネットで曲をバズらせるやり方は、似たやり方だと思ったんだよ」

それに対しPizzaslime側も同意見だ。「僕らは一緒にやっていけるプロジェクトを見つけようとしていたんだ。PizzaslimeとRae SremmurdのプロデューサーのMike Will Made Itは仲が良かったし、これは相性が完璧だと感じた。でもRae Sremmurdのアルバムが出た時、Gunnerと話したらあんまりマーケティング会社と上手くやれている感じにみえなかったんだ。でも僕たちはいい感じのバズを作ってきたこともあるし、そういうナチュラルな出来事が必要だったんだ。レーベルは新しいマーケティングのやり方を探していて、それは僕らが一番上手くやれるやり方だったんだ」

GunnerはPizzaslimeに「Rae Sremmurdのアルバムのプロモーションを一緒にできる人を探してたんだけど、上手くいかなかった。それでPizzaslimeに「手伝ってくれないか?アイディアがあるんだけど、君たちなら一緒にできると思うんだ」と要請し、Pizzaslimeも快諾したという。

そしてRae Sremmurdの曲をプロモーションするプロジェクトがスタートした。では"Black Beatles"はどのように#MannequinChallengeのサウンドトラックになったのか。

「ピンポイントにリスナーに届く、やり方がなんなのかを探る必要があった。しかもその方法は全てのアーティストで、やり方が違うんだ」とGunnerは曲をバズらせる難しさを話す。

「Rae Sremmurdの曲はネット上で流行っている短いネタと相性が良いんだ。だからキャンペーンのゴールは、タイムラインをこの曲がサウンドトラックのネタで埋め尽くされることと設定したんだ」とGunnerはRae SremmurdとSNSの親和性の高さに注目した。「もし私たちがチャンスをつかんで、リーチしたいオーディエンスの認知を高めることができれば、このプロジェクトは上手くいくと思ったんだ。その時#Mannequin Challengeのムーブメントがスタートして、僕たちはそれがバズっていく過程を見ていた。そして#Mannequin Challengeにはテーマ曲がなかったから、"Black Beatles"をそのテーマソングにしようと思ったんだ。ここから成功ストーリーが始まったよ」とGunnerは振り返った。

さらにGunnerは「"Black Beatles"の曲がいいのはわかってたから、どれだけ多くの人に気づいてもらえるかが重要だったんだ。それに若い層に届けば彼らをコントロールするのは知ってたんだ。全ては完璧に起こったよ。Rae Sremmurdの2人は#Mannequin Challengeを見たその日のライブ中に、#Mannequin Challengeをやって、それがインターネットで広まったんだよ」とどのように#Mannequin Challengeと"Black Beatles"が結びついたかを説明した。

2016年にどのようにプロモーションが機能するかについてはGunnerは「同じようなプロモーション手法を、違うアーティストでするのはもう古いと思う。アーティストごとに一つ一つのプロモーションを作るべきだよ。アーティストが動きやすいプロモーション施策を組み立てたほうがいい」とアドバイスを送った。

Pizzaslimeも「同じ施策を全てのアーティストにしても意味ないよ。でも過去にやられた施策を、ちゃんとアップデートしたら使えるプロモーションもあると思うよ」とアーティストごとにしっかりとプロモーションを柔軟に作るのが重要と話す。

さらにこうしたバズが生まれた背景には「ストリーミングが大きな影響をしている。私たちはこの新しい時代にカルチャーと隣接しつつみんなの関係性を最大化している。カルチャーと寄り添いつつ、レーベルの中でアーティストを成長させるのをヘルプできる妥協点をみつけなければらなない」とGunnerは話した。

また新人アーティストがどのようにブレイクさせられるかについてもGunnerは「私にとって、その方法はアーティスト自身や、ファンについて、どんな人のために音楽が作られているかを理解することだ。音楽にはどこでその音楽が有効かという場面がある。音楽は朝起きたときにも聴かれるし、車でドライブするときにも聴かれる。自身の音楽がどこで聴かれるかを理解すると、多くのリスナーに届くためのルートがどこにあるかをわかるようになる」とそのアーティスト自身や周辺の環境を理解するのが大切だと説く。

現在のアーティストにとってのSNSの重要性を聞かれたPizzaslimeは、「SNSは重要にみえるだろ。SNSはアーティストに興味のある人や、アーティストを知りたいと思っている人とつながる手段だよ。インターネットはファンと話す、ただのツールで10年後には違うものになってるだろうね」と語るが、Gunnerは「SNSは最重要だよ」と熱っぽく語る。「SNSはファンとそれぞれのやり方でつながることもできるし、それにSNSはインターネットでの自身のキャラクターを表すことができる、とても重要なツールだ」という。「そこには多くの違うレイヤーがある。あなたは自身の音楽について語る人である必要もない。音楽の断片をアップしたり、様々なコンテンツを作ることができる。昔はblogでやっていたことを今はInstagramやTumblr、など様々なSNSで展開できる」とバランス良くSNSを使用する重要性を語った。

最後にどうやってトレンドを作るのかという質問に対してPizzaslimeは「バランスが大切だ。これまでにあった方法と新しい方法をちょうどよく混ぜるのが一番いいよ。どっちかに偏るのはよくないし、アーティストの特性にもよるよ。それにどの方法が正しいなんてデータはない。時代はどんどん変わるから、自分たちを信じるしかないよね。誰かがやったことをキッズたちが見てくれることだよ。そうするとデータは関係なくバズるよ」と話す。Gunnerは「Pizzaslimeと一緒に仕事をしたのはとても意味があった」と振り返った。「毎週コンテンツをリリースするだけでは足りないのです。毎日作らなければ。Pizzaslimeはコンテンツを作り上げるのがとても早いんです。正式なコンテンツじゃなくてもいいんです。ユーザーのコンテンツでもいい、私たちはユーザーもコンテンツ作りに参加してほしい。私たちはクレバーなリスナーをとても重要視している」とアーティストだけではなく周囲の環境を巻き込むことで、トレンドを作れることを再度強調した。

 

Via Pigeons & Planes

 

 

 

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