オンライン英単語辞書サイト「ディクショナリー・ドットコム」が2016年を代表する単語として「xenophobia(ゼノフォビア)」を選んだと発表した。
by Yoshimi Hayashi
xenophobiaは「外国人嫌悪(がいこくじんけんお)および外国人恐怖症(がいこくじんきょうふしょう)」と訳され、外国人や異民族などアウトサイダーと見られている人や集団を嫌悪、排斥あるいは憎悪する気質を指す。
xenophobiaの単語検索が激増したのは6月24日、英国の国民投票で欧州連合(EU)からの離脱が決まった翌日だった。続いて6月29日、米国のオバマ大統領が共和党のドナルド・トランプの発言に関してこの用語を使った時である。
トランプは大統領選挙選中、不法移民や女性に関する発言から、人種差別主義者、ミソジニスト(女性蔑視の人たち)、バーサー(オバマ大統領の出生地はアメリカではないと主張する人たち)などと批判されていた。
英国、フランス、ドイツ、米国など世界の移民政策が揺れた2016年だが、昨今の日本でも表面化し、問題提起されている「ヘイトスピーチ」、「レイシズム」もまた、xenophobia(ゼノフォビア)が象徴する世相を反映しているのかもしれない。
1年間の世相を表す言葉といえば、ユーキャン新語・流行語大賞(自由国民社)の2016年の大賞が、明日12月1日(木)午後5時に発表される。
PPAP、(僕の)アモーレ、都民ファースト、EU離脱、トランプ現象など30語がノミネートされているが(ノミネート30語はこちら)
差別、ヘイト、xenophobia(ゼノフォビア)にまつわる言葉は見当たらず、殆どが芸能や日本経済に関するものだ。
2016年の象徴としてディクショナリー・ドットコムが提起したxenophobia(ゼノフォビア)という言葉についてこの機会にもう一度、世界情勢と照らし合わせながら考えてみたい。