今週木曜日、Twitter社傘下の6秒間動画サービス「Vine」がサービスを終了することを発表した。理由は身売り交渉に行き詰まりを見せている同社の構造改編。全社従業員の9%を削減するリストラが行われることも同時に伝えられた。
Twitter社によると、Vineのモバイルアプリは数ヶ月以内に提供終了となるが、既に投稿された動画についてはサービス終了後もwebサイトから視聴できるということだ。
2013年にサービスを開始してからTwitter上で大流行し、一時期はタイムライン上でVineの動画を見かけないという日はなかったほど流行していたこのサービス。ソーシャルメディア時代の流行の移り変わりの早さを感じさせるニュースだ。
ユーザーのクリエイティビティを刺激し、たくさんの面白い動画を生んできたこのサービスであるが、Vineが残した功績はそれだけではないようだ。「V動画の中で何度もループされ繰り返される音楽は確かに自然と頭に残ってしまうものだろう。それでは、このThe Faderが紹介した「Vineから火がついた14の曲」から5曲をピックアップして紹介したいと思う。
1. Young Thug, "Stoner"
Young Thugのヒット曲"Stoner"は、アトランタ出身のこのラッパーを世に知らしめた楽曲だ。Vineユーザーたちはこのフックと"I feel like Fabo"のキャッチフレーズを借りてきては動画を競って作った。
2. Bobby Shmurda, "Hot Nigga"
Bobby Shmurdaのデビュー曲とそのビデオは外せないだろう。彼が表現したものは当時のニューヨークラップの方向性とは逆のものであったが、いまでもこのスタイルはフォローされ続けている。そして、この"Shmoney Dance"の誕生がブルックリン出身のラッパーのこの攻撃的なトラックを新たな高みに飛躍させたのだ。
3. Chief Keef, "Faneto"
"Faneto"の頃には既にインターネットでセンンセーションが起きていたChief Keef。しかし、多くの人がこのシカゴ出身ラッパーを一発屋で終わるだろうと考えていた。そんななか出回ったこのVineビデオが人々に伝えたのは、これほど多くのオーディエンスがラッパーの音楽に熱狂しているということだった。
4. Lil Yachty, "1Night"
Lil Yatchyは当時、Soundcloudで知る人ぞ知るほとんど無名なラッパーだった。この赤髪のラッパーのキャリアに火がつくのを助けたのはこのVineビデオだと言えるかもしれない。
5. OG Maco, "U Guessed It"
OG Macoの2014年のヒット"U Guessed It"はVineの残した功績の一つの証明である。このシングルの成功を後押ししたVine動画たちは当時、まるで時代を支配しているかのようだった。
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以上、5曲の紹介である。ラップと動画メディアの相性の良さや、ループ再生されるうちに自然と音楽が癖になってしまう感覚。そしてハッシュタグにより広がっていく様など、Vineのもっていた音楽プロモーションツールとしての影響力の大きさが見えたのではないだろうか。
以上の5曲に加え、The Faderの記事では14曲のフルリストがチェックできるので、気になる方はこちら(英語)から閲覧していただきたい。
(辻本秀太郎)