アメリカのノースカロライナ州立大学で行われた研究により、インディーロックのミュージシャンはシーンでキャリアを確立するために高いビジネス・コミュニケーション能力が必要とされることが判明した。
ノースカロライナ州立大学の博士課程でビジネス・コミュニケーションを専攻するStephen Carradiniさんは「21世紀にミュージシャンはどのようにお金を稼ぐのか、ということが知りたかったと」と取材に対して答えた。
インディー・ミュージシャンを悩ませるコミュニケーション
Carradiniさんは18組のインディー・ロックのミュージシャンに仕事に関するアクティヴィティについてインタビューを重ねた。その結果、ミュージシャンたちは「コミュニケーションに関するタスク」に多くの時間を割いていたことが判明。
「ミュージシャンは多くのオーディエンスたちとコミュニケーションをしなければいけませんでした。ファンや潜在的ファン、そしてブッキングエージェント、レコード・レーベルなど。そして彼はたくさんの種類の書類を取り掛からなくてはなりません。ビジネスEメールであったりソーシャルメディアのポストなど」と、Carradiniさんはミュージシャンのビジネス・コミュニケーションについて語る。
Carradiniさんは、これらミュージシャンにとってのコミュニケーションの活動を一般的なビジネスにおけるコミュニケーションと比較することで、メジャーレーベルと契約していないロックミュージシャンたちは、独特の難しい状況に立たされていることが分かった。
なぜインディー・ミュージシャンのコミュニケーションは大変なのか?
ミュージシャンは常にファンを探し続けていかなくてはいけない。これは非常に大変なことです。未だにファンじゃない人にどうやってリーチするのでしょうか?
次に「食っていける」状況になるまでは時間がかかるということ。つまりSNSやビジネスEメールなど多種多様なコミュニケーションのスキルが必要にも関わらず、コミュニケーション専門のプロフェッショナルを雇うのは難しい。
インディー・ミュージシャンとソーシャルネットワーク
また調査を行ったミュージシャンたちはいくつかのソーシャルメディアに対してフラストレーションを抱いていたようだ。特にFacebookに対して大きなフラストレーションを感じている。ミュージシャンはFacebookでファンベースを構築できることは分かっているが、そのファンたちにリーチ出来ないという事態が発生する。Facebookの仕組みとして、投稿されたポストに誰が、何人がリーチしたかがわからないようになっているからだ。
アーティストは「粘り強く」やっていくことが重要だとCarradiniは言う。
今回の研究でミュージック・ビジネスは他のビジネスと違うということが分かったが、それでも「ビジネスはビジネスで、うまくやりたいと思うなら大学かどこかでビジネス・コミュニケーションを学ぶのがミュージシャンにとってもよいのではないか」と著者はミュージシャンたちにアドバイスを送った。
via NC STATE NEWS