Abbey Road Studios(アビーロードスタジオ)。The BeatlesやPink Floydの名盤がレコーディングされ、現在でも多くの作品が生まれ続けているロンドンの名門レコーディングスタジオである。
Abbey Road RedはこのAbbey Road StudiosがUniversal Music Groupと協力し行っている、音楽系スタートアップの支援プロジェクトである。このプロジェクトの第二弾として、Qrates、The Audio Hunt、Scoredの3つのサービスが選ばれた。
webメディアMusic Allyの取材に、本プロジェクトのマネージャーJon Eadesは以下のように語っている。
「僕等がRedに参加するスタートアップを選ぶときの基準は、これまでにない全く新しいサービスを提供しているか、ということ。音楽やテック業界で起こっている最新のトレンドを注意深く観察することができてきたか、ということなんだ。」
第1期のスタートアップ三社Ossic、CloudBounce、Uberchordは16年3月から始まった6ヶ月間のプログラムを終え、これから再び今週からビジネスの荒野に戻ろうとしている。
「Abbey Road Redは普通のインキュベーターとは違っていて、スタートアップとの長期的な関係を築こうとしている。プログラムを終えた三社とも今後どのように関わり、近い関係でいられるかについて議論を重ねているところだ。」
多くの企業がエントリーする中、Redチームの心を見事つかんだ三社が今後どのように活躍していくか注目である。
簡単に3社のサービスを紹介しよう。
Qratesはアナログレコードのリリースのための日本のサービスで、ファンがレコードの製造コストをカバーできるクラウドファンディングの仕組みを備えていることが特徴だ。これにより、アーティストは初期コストや余剰在庫のリスクを抱えずに販売することができる。ベッドルーム・アーティストからプロフェッショナルな音楽レーベルまで、DIYビジネスをサポートし、レコード製造の新時代を模索している。また他にもレコードデザインを発想するためのツールやビジネスをシミュレートできるマネージャーなど様々な機能を揃えており、アーティスト本人がビジネスをコントロールできるように手厚いバックアップ態勢も備えている。
The Audio Huntはミュージシャンやプロデューサー向けに特化したコミュニティサービス。ここで彼らは直接のやりとりにより機材をオンライン上で売買することができるという。Scoredは音楽ライブラリかつ動画編集における音響の操作アプリケーションで、これにより映画製作においてリアルタイムなサウンドトラック操作が可能となるそうだ。
これからこの3社は6ヶ月の間、RedプログラムのマネージャーJon Eades率いるAbbey Road StudioとUniversal Music Groupのメンバーから成るエキスパート集団のもとで、世界クラスのサービスを目指し指導やサポートを受けていくこととなる。