Pioneer DJは、2016年8月2日(火)にDJソフトウェア「rekordbox」のアップデートを発表した。これにより、アナログ音源の録音・管理機能をはじめ、多くのプロが愛用する同社エフェクトの追加などが可能となる。
by Yuuki Yamane
rekordboxは、楽曲ファイルの設定・管理からパフォーマンス、フィードバックまで、DJライフのあらゆるシーンをサポートする楽曲管理ソフトウェアだ。今回のアップデートでは、rekordboxが持つ⾳声解析技術を活かし、アナログ音源を簡単に録音・管理できる機能が追加。アナログ音源を再⽣・停止するだけで録音できる自動録音開始・停止機能のほか、楽曲単位でファイル分割する⼿間が不要な⾃動楽曲分割機能、音量の調整不要なノーマライズ機能などが搭載され、録音した音源を編集することなくすぐにDJプレイで使用することができようになる。
[録音機能の特長]
1.アナログ音源も簡単にコレクションできる楽曲管理機能
シンプルなGUIと事前の設定を省いた短いステップでアナログ音源を簡単に録音。録音した音源は自動的にライブラリに取り込まれ、容易に楽曲管理ができる。
2.アナログ音源を再生・停止するだけで録音できる自動録音開始・停止機能
アナログ音源の入力音声を検出して自動で録音開始・停止。録音開始から音楽がはじまるまでの余計な無音部分の削除や、録音を停止させる手間を省くことができる。
3.楽曲間を検出し楽曲単位に分割・録音する自動楽曲分割機能
自動録音開始・停止機能と同様にアナログ音源を再生するだけで楽曲間を検出し、自動的に楽曲単位に分割。録音した音源を分割する手間を省くことができる。
4.録音音源の音量調整が不要なノーマライズ機能
アナログ音源ごとに異なる音量を自動で調整し、差異なく保存することができるノーマライズ機能を搭載。録音した音源を聴く際やDJプレイに使用する際に、録音した音源ごとに音量の調整をする手間を省くことができる。
ほかにも今回のアップデートでは、多くのクリエイターやプロDJ から定評のある同社「REMIX STATION」のSCENE FX」 と同様のエフェクト「RMX EFFECTS Plus Pack for rekordbox dj」(以下、「RMX EFFECTS」)の追加も可能となった。このエフェクトには、楽曲の盛り上がりをさらに強調したり楽曲にブレイクをはさむことができるエフェクトが数種類ずつ搭載されており、これまで以上にオリジナリティあふれるDJプレイを生み出すことができるようになる。
[RMX EFFECTS の特長]
1.楽曲の盛り上がりを強調するエフェクト
・BPF Echo - 再生音にバンドパスフィルターを通した音を重ねて反響音を加える
・NOISE - 内部で生成したノイズを再生音に重ねる
・SPIRAL UP - エコーの反響時間を変えながら音程を上げる
・REVERB UP - 残響効果を加え、残響時間の変化とともに残響音の音程を上げる
2.楽曲にブレイクをはさむエフェクト
・HPF ECHO - ハイパスフィルターを通した音に反響音を加える
・LPF ECHO - ローパスフィルターを通した音に反響音を加える
・CRUSH ECHO - 再生音を壊したような音にして反響音を加える
・SPIRAL DOWN - エコーの反響時間を変えながら音程を下げる
・REVERB DOWN - 残響効果を加え、残響時間の変化とともに残響音の音程を下げる
※「rekordbox dj」のユーザーは「RMX EFFECTS」のライセンスキーの追加購入が必要
※「rekordbox dj」のサブスクリプション契約のユーザーは「RMX EFFECTS」のライセンスキー追加購入は不要
その他アップデートによる追加機能は以下の通り。
rekordboxを「CDJ-TOUR1」および「CDJ-2000NXS2」と接続した時の新規機能拡張
・USB EXPORT機能拡張によりMATCHING機能で関連付けした楽曲を表示可能
・PC/Mac内の「rekordbox dj」と接続において、マルチプレーヤーのディスプレイ上に詳細波形を表示する機能に対応(USB-HIDコントロール時)
・KUVO(http://kuvo.com/)を使用する際のPC/Macとマルチプレーヤーの接続において、USB(USB-HIDコントロール時)のみでの接続にも対応
※ CDJ-TOUR1、CDJ-2000NXS2のファームウェア最新化が必要
Windows64bit版アプリケーション
従来の32bit版に加え64bit版のアプリケーションを新たに提供。使用中のWindowsに最適化されたアプリケーション選択が可能
対応言語の拡張
HebrewやArabicなど、右から左へ表示する言語の検索や表示が可能に。OSがサポートする全ての言語に対応。
システム要件:
最低動作環境
OS(Windows):Windows10,8.1,7(最新サービスパック)
OS(Mac):Mac OS X 10.11, 10.10, 10.9(最新アップデート)
CPU:Intel® processor Core™ i7、i5、i3
Intel® processor Core™ 2 Duo 2.0GHz以上
メモリー:4 GB 以上のRAM
ハードディスク:250 MB 以上の空き容量 (楽曲ファイルなどの保存に要する容量を除く)
ディスプレイ解像度:1280 x 768 以上の解像度