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Cashmere CatやLidoを見出したレーベルPelican Flyとは?!

リリース数は少ないにも関わらず、そのリリース全てをヒットさせアンダーグラウンドのダンスミュージックシーンから絶大な信頼を受けているベルギーのブリュッセルを拠点とするレーベル、Pelican Fly。今秋もレーベルが見出した天才Lidoとフランスの次世代エースCanblasterのEPを同時にリリースするなど更に注目が高まるPelican Flyのこれまでの軌跡を紹介していく

Pelican Flyが設立されたのは2011年、レーベルの顔DJ SlowことThomas Duvalと彼の親友であるRichelleが共同で運営を行っている。DJ SlowはRichelleのリリースを出す為にレーベルをスタートしたと語っている。

その後も主にインターネットをメインに様々なアーティストを見出していくことになる。そこにはMister Tweeks、Sinjin Hawke、Cashmere Cat、Samename、LidoそしてNadusなど、後にPelican Flyからリリースするアーティストも含まれている。Pelican Flyのサウンドの特徴は前述のインタビューでのSlow曰く、ラップやR&Bに影響を受けたエレクトロニックミュージック、クラブミュージックということであり、2015年現在はこうしたサウンドはTrapなどの名前で一般にも定着したが、設立当初はTrapという名前も広まっておらず、この点でもPelican Flyの先見の明が伺える。

またSlowは新しいアーティストの発掘にも非常に重点をおいていてその中でも1st EPをしっかりリリースするというのがとても重要だと前述のインタビューで語っている。このSlowの言葉通り、Cashmere Catのデビュー作『Mirror Maru EP』LIdo『I Love You』、Sinjin Hawkeの『The Lights EP』と印象的な作品ばかりである。

そしてSlowは自身がレーベルが立ち上げる前にも好きなアーティストはたくさんいたけど、完璧に信頼出来るレーベルはとても少なかったと言っており、レーベルとして信頼され好まれるような存在にPelican Flyをしたいと語っている。

この秋、Pelican Flyが見出したアーティストに様々な動きがあった。Pelican Flyでのリリースの後にLuckyMeからリリースされた2ndEPもヒットし、現在は共作曲「Adore」がきっかけでAriana Grandeのツアーの前座として世界中を飛び回り、日本公演も熱望されていたCashmere Catの来日が遂に決定

また前書きでも触れたが、元々はLidoLidoという名前で10代からノルウェーのヒップホップシーンで活躍しトラックメーカーに転身後圧倒的なメロディーセンスと楽曲の構成力でアンダーグラウンドシーンの担い手として注目を集め続けているLidoと彼との共作でも知られていて、Sam TibaやMYDなどを擁するフランスの次世代クルーClub Chevalのメンバーとしても人気のCanblasterの新作が同時リリースされた。

どちらのリリースもPelican FlyらしくラップやR&B、エレクトロニックミュージックをブレンドされたものでありながら決してTrapやFuture R&Bなどのジャンルに収まることのない強度を持ったリリースだった。これからも先見性と職人気質のクオリティーを持った作品をリリースしてくるPelican Flyから目を離してはならない。

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