2020年グラミー賞にて最優秀ラップアルバム賞を受賞したTyler, The Creator。受賞後のインタビューにて自身の音楽を「ラップ」や「アーバン」というジャンルのみにカテゴライズされることへの不満を語り話題を呼んだ彼だが、そんな彼にOff-WhiteのデザインやLouis Vuittonのメンズウェアを手がけるVirgil Ablohが賛同の意を表明している。
Tyler, The Creatorはグラミーの選考について「ジャンルを超えたことをやっているのに、あいつらはいつも“ラップ”や“アーバン”ってカテゴリーに俺たちを押し込むだろ。“アーバン”って言葉は好きじゃないんだ。Nワードをポリティカリーコレクトネスに配慮して言っているだけのように思える。だから、そう言われると“なんで俺たちはポップじゃいけないんだ?”って思うんだよ。だから、ラップでノミネートされたときも心のどこかで皮肉なお世辞のように感じてしまった」と語っていた。
Complexによると、Virgil AblohはInstagramにてTylerのこの発言を引用し、彼を「若く、賢く、才能がある」と称賛。続いて「俺は“ストリートウェア”という言葉を聞くと全く同じ感情を抱くよ」として、Tylerが「アーバン」という言葉について語った部分に対しVirgil自身のフィールドから同意を示している。
ヒップホップを出自としながらも、今やOff-WhiteやLouis Vuittonでモードの最先端を行くVirgil Abloh。彼自身もアフリカ系であることやヒップホップシーンとの繋がりによって「ストリートウェア」のカテゴリーに押し込められることに疑問を抱いていることが分かる。
人種や表面的な部分によってカルチャーをカテゴライズする風潮に対しては、今後も様々な問題提起が起こりそうな気配だ。