Kanye Westのクリエイティブディレクターとしての仕事やブランド『Off-White』のデザイナーとして広く知られ、昨年にはLouis Vuittonのメンズウェアデザイナーに就任したことでファッションシーンのトップに立ったVirgil Abloh。そんな彼が、インタビューで自身のデザイナーとしての立ち位置について語っている。
Vogueのインタビューに登場したVirgil Ablohは、「あの時はマルタン・マルジェラと川久保玲だけが正しいと思っていた。そして、俺はそのどちらでもないことに苦しんでいたんだ。ファッションデザイナーとして、俺は丸い穴に打ち込まれた四角い釘のような存在だったんだよ。ディナーパーティーのときに汚い部屋を急いで片付けるような。全て準備が出来ているけど、バスルームに行くとなぜかシリアルの箱が転がっているようなね」と、始めた当初にファッションデザイナーとしてのポジションと手法を模索していたことを独特な表現で明かしている。
続けて、自身に寄せられる「他人の作品を盗用している」との批判に対しては「時代遅れの概念」と一蹴し、「ゼロから全てを作るためのデザインの方法は別の時代から来るものなんだ。俺にとって、デザインは語るに値するストーリーを見つけることだ。文化は、これまで一度も紙に書かれたことが無いアイデアから生まれるものじゃないと俺は信じてる。俺の目的は物事を強調することで、それがコラボを沢山する理由だし、多くのリファレンスを持つ理由、俺の体を働かせる理由だ」として自身のデザイン論を語っている。
ヒップホップにも通ずるコンテンポラリーなアプローチでデザインを行うVirgil Abloh。ファッションシーンでは異質な存在であった彼が現在の地位を確率するまでに経た道筋や苦悩は、様々なアートに取り組んでいる人々に勇気を与えるに違いない。Vogueによるインタビューの全編はこちらから読むことが出来る。