水原希子とアラーキーをフィーチャーして世を驚かせたSupremeは数日前、突如Instagramにメタルバンドの動画をポストした。それにびっくりしたSupremeファンの人も多いのではないだろうか?
Slayer for Supreme ? @rickysaiz
A video posted by Supreme (@supremenewyork) on
映し出されたのはアメリカのスラッシュ・メタル・バンドのSlayerのライブ映像。ナレーションでは「このバンドはたくさんの昂ぶった感情を、たくさんの喜びを、たくさんの血を、そして涙をもたらしてくれた。そのバンドは、それをもたらしてくれた」というナレーションと共に、SupremeのロゴTシャツを着るSlayerのベース/ボーカルのトム・アラヤの姿。繰り返されるダイブの映像がその熱狂を伝える。
演奏されているのはSlayerの1988年の曲、"South of Heaven"だ。
Slyerは1981年にカリフォルニアで結成されたスラッシュ・メタル・バンド。メタリカ、メガデス、アンスラックスと共に、スラッシュ・メタルのジャンルの四天王に数えられる。スラッシュ・メタルとはNWOBHM(ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィメタル)と呼ばれる音楽とハードコア・パンクが合流し、アグレッシブでスピード感のある音楽だ。
Slyerはメタルサウンドとハードコア・パンクを合体させた。暴力的で反倫理的なリリック、タブーとされているキリスト、ナチス、悪魔などをモチーフにし、アグレッシブでバイオレンスなスラッシュ・メタルの金字塔である、1stアルバム『Show No Mercy』で誕生させた。1986年の3rdアルバム『Reign in Blood(血の王朝)』も有名だろう。
80〜90年代に活躍していた西海岸のスラッシュ・メタルバンドを、なぜNYのブランドはコラボ相手に選んだのだろうか?もちろんSupremeはミレニアム世代のキッズたちに聴いたことがない音楽を聴いてもらおうという意図もあるだろう。
それも理由に挙げられるだろう。しかし実はSlayerの音楽は、かつてのスケートボードのビデオに頻出していた最重要サウンドトラックなのだ。1999年に発表されたJAMIE THOMAS / ZEROによる伝説的なスケートボードビデオ『Zero Skateboards - Misled Youth』には、Iron Maiden、Black Sabbath、Black Flag、The Doors、Queen、The Whoという大御所アーティストたちに並んでSlayerの"South of Heaven"の楽曲も使用されている。以下のビデオの9分18秒からのプロスケーターでDEATHWISHのErik Ellington(エリック・エリントン)のチャプターにSlayerの楽曲がトラックとして使用されている。
zero misled youth from aidan clarke on Vimeo.
もちろん『Zero Skateboards - Misled Youth』で使用されたバンドの影響はSupremeのこれまでのコレクションに色濃く残っている。Supremeの元ネタをバラすInstagramのアカウントについてはこちらから。
SupremeとSlayerのラインアップは11/12発売。
Photography via @supremenewyork, highsnobeity