Thrasherは1981年に創刊されたスケート雑誌の象徴といえる存在だ。現在ファッション業界でThrasherのロゴが入ったTシャツやパーカーなどのアイテムが、トレンドになっている。RihannaやJustin Bieberなどのセレブが着用したのをきっかけに、VogueやWなど様々なファッション誌がスケーターファッションの特集を組んだ。
.@rihanna is still wearing Thrasher gear. https://t.co/WGMOCLfCqI pic.twitter.com/00Qmb5xI0W
— RIDE (@RideChannel) 2016年7月7日
スケーター側からVogueがスケートについて何も知らないのにとりあげるのは馬鹿げているといった批判も出ている。そんな中Thrasherの編集長で、同誌のアイコンともいえる存在のJake PhelpsがHYPEBEASTのインタビューに答えている。
Phelpsはインタビューの中で「おれたちはRihannaやJustin Bieberや他の馬鹿どもにThrasherのロゴが入ったアイテムを送ったことはない」と明言。「ストリートこそがリアルな場所なんだよ。そんなアイテムより(スケートで怪我して)血とカサブタを得たほうがリアルだろう?」とPhelpsは続ける。
さらにPhelpsはThrasherはあくまでスケートカルチャーを代弁するメディアであり、ファッションとは関係のないものだということを強調している。
ブランドならより自身の影響力をいろんな人に広めていくのは自然なことだ、Thrasherはブランドじゃない。Thrasherは雑誌でせいぜいゆるくスケート自体を表象することはできるが、メディアとしての役割は読者の声や関心を伝えていくことなんだ。もし君がスケートに興味を持ったなら、Thrasherのウェブや本誌はこのカルチャーについて勉強するとてもすばらしい場所になるだろう。でもこのカルチャーについて知りたくないなら、Thrasherのコンテンツには興味をもつ必要がない。おれはスケーターじゃないとThrasherのアイテムを身につけちゃダメだとは言ってない。ただThrasherのアイテムを好感度を保つためだけに着て、Thrasherがなにを意味しているのかについては見くびっている、セレブのことは気に揉んでいるよ。
これと似たような批判は東京オリンピックでスケートが正式種目になったときも起こり、スケーターたちはスケートはスポーツではないとし、決定取り消しを求める署名活動を始めた。2020年に向けてスケートにより多くの関心が集まるようになるのは間違いない。今後スケートをめぐる環境はどのように変化していくのだろうか。Phelpsのインタビュー全文はHYPEBEASTで読むことができる。