警察無線とアンビエントを融合させるプロジェクト ー ハイパーコネクティビティとリアリティへの想像力

Youarelistening.toと呼ばれるサイトは音楽ファンにカルト的な人気をほこるサイトだ。このサイトにアクセスすると、SoundCloudにアンビエントのタグが付けられてアップロードされた音楽が、警察無線や管制塔の通信などのリアルタイム音声とコラージュされ、流れ始める。

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2010年、メジャー・リーグのサンフランシスコ・ジャイアンツがワールドシリーズを制覇し、サンフランシスコの街はお祭り騒ぎになっていた。Youarelistening.toの開設者であるEric Eberhardtは自宅でサンフランシスコ警察が暴動を取り締まるための無線を聴いていたのだが、10分後すこし飽きて無線ブロードキャストをつけっぱなしにしながらiTunesを開き、音楽を掛けた。その時、警察無線の音声とエレクトロニック・ミュージックのコンビネーションが、まるで映画のサウンドトラックのように聴こえたそうだ

その後その経験をさまざまな人に伝えようとしたのだが、その手順が複雑で伝えきれなく葛藤の日々を過ごしていた。同時期にSoundCloudのプラットフォームに多くのクリエーターが参入し、アンビエント音楽やフィールドレコーディングをアップするようになったのを発見した彼は、無線のブロードキャストとiTunesの「ブレンド」をウェブサイト上で実現できないかと考えるようになった。

そして完成したのがYouarelistening.toだ。このサイトにアクセスすると、ランダムでSoundCloudにアップされているアンビエントが流れ、アメリカの警察無線が同時に流れる。警察無線は地域ごとにリスト化され、バーチャルに都市を移動することができる。

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警察無線だけではなく、世界地図上から別のリアルタイム音声を選ぶことも可能だ。その中からは、成田空港の管制塔とパイロットのやり取りのブロードキャストを選択することもできる。地域をクリックするとFlickrからランダムに取得された地域の画像が表示されるのもポイントだろう。

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混乱、暴力、権力といった目を覆いたくなるような、現実世界の裏側にある警察無線という街の隠れたサウンドトラックが私たちの耳にリアルタイムに飛び込んでくる、即時的な繋がりが実現したハイパーコネクティビティの世界で、アンビエント音楽が与えてくれる平静さが奇妙に合成され、逆に過剰なほどリアルへの想像力を掻き立ててくる。それはものの10秒聴いただけで実感できるだろう。

http://youarelistening.to/

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