TikTokからヒットしたLil Nas Xの カントリーラップ“Old Town Road”が「カントリーじゃない」という理由でカントリーチャートから外される

TikTokでの流行をきっかけにバイラルヒットしたLil Nas Xの“Old Town Road”。バンジョーをフィーチャーしカウボーイのライフスタイルを歌ったこの楽曲は全米チャートで初登場83位を記録した他Apple Musicのカントリーチャートで1位となっていた。しかし今回、Billboardが同曲を全米カントリーチャートから除外することを決定したと報じられている。

Rolling Stoneによると、Billboardの担当者は同曲のカントリーチャート入りを「間違いだった」としており、「“Old Town Road”をカントリーチャートに入れるメリットが無いと判断されました。ジャンルを判断するにはいくつかの要素を考慮しますが、第一かつ最も重要なものとなるのは音楽的な構成です。“Old Town Road”はカントリーやカウボーイのイメージをリファレンスしていますが、今日のカントリーミュージックとして十分な要素を含んでいません」との声明を発表している。たしかに“Old Town Road”はカントリー的なサンプルを用いそのようなイメージを打ち出してはいるが、楽曲の構成は紛れもなくヒップホップであるため完全に「カントリー」と言い切ることは出来ない。

しかし、白人はそのファン層の大半を占めるカントリー市場から黒人アーティストであるLil Nas Xを除外することに、少なからず人種という要素が関わっていることを指摘する向きもあった。Billboardはそのような声に対し、「“Old Town Road”の追放に人種は関係していない」との発表も行ったようだ。

その斬新さによってインターネットでは好意的に受け入れられたLil Nas Xの「カントリーラップ」だが、元のカントリープロパーなリスナーたちに彼の楽曲を受け入れることは難しかったのだろうか。R&B/ヒップホップチャートとHot100には依然として同曲が残っているが、そちらの二つのチャート上での今後の動きも気になるところだ。

RELATED

EminemをフリースタイルなどでディスするムーブメントがTikTokで流行|Lil Nas Xが苦言を呈する

セレブたちの問題行動や問題発言を取り上げ、その人物をボイコットする「キャンセルカルチャー」は、力を持つセレブや企業に対する抑止力として働くと同時に、小さな事柄がその人物の進退にまで影響を与えること、そして本質的かつ効果的でない方向に過激化していることが問題視されている。今回、Eminemが若いネットユーザーからキャンセルの標的とされていることが大きな話題を呼んでいる。

Lil Nas XがクィアアーティストとしてのTyler, The CreatorとFrank Oceanからの影響を語る

昨年のLGBTQプライド月間の終わりにカミングアウトを行い、ゲイであることを公言しながら活動を続けているLil Nas X。そんな彼が、新たに公開されたインタビューの中でカミングアウトの際にTyler, The CreatorとFrank Oceanの二人から受けた影響について語っている。

Lil Nas Xがアルファベットを学べる絵本『C Is for COUNTRY』を執筆

“Old Town Road”や『7』以来まとまった作品をリリースしておらず、新作を待たれているLil Nas X。そんな彼が、なんと児童書を執筆し出版する予定であることが明らかになった。

MOST POPULAR

音楽を聴いて鳥肌が立つのは特殊な脳の構造を持つ人だけが経験できるという研究結果

音楽を聴いて鳥肌が立つ、という体験をしたことがあるだろうか。もしあるならば、あなたはとてもラッキーな経験をしている。

大人になってからの音楽の好みは14歳の時に聴いた音楽で形成されている

私たちの音楽の好みは14歳の時に聴いた音楽によって形成されていると、研究により明らかになった。

Appleの重役がiTunesの音楽ダウンロードが終了することを認める

ついにその日が来てしまうのだろうか。先日発表されたアメリカレコード協会(RIAA)の2017年末の収入報告でもデジタルダウンロードの売り上げが2011年以来6年ぶりにCDやアナログレコードなどの売り上げよりも少なくなったと発表されたが、ちょうどそのタイミングでApple Musicの重役のJimmy Iovineが、iTunesストアの音楽ダウンロードが、終了する見込みであることをBBCの取材に対して認めている。