故カート・コバーンが「白人はラップをしないほうがいい」と語る未発表インタビューが発掘

言わずと知れた伝説のロックバンドNirvanaのカート・コバーンが生前ラップについて語っている1991年のインタビュー音源が公開された。

インタビュアーはミュージシャンであり当時大学生だったRobert Lorussoという人物で、アマチュアのジャーナリストをしていた際に偶然カート・コバーンと接触する機会を得られたという。インタビュー音源には当時発売されたばかりであるNirvanaの歴史的名盤『Nevermind』やバンドの経済的事情など様々なトピックについての会話が収録されているが、その中で当時黄金期を迎えつつあったヒップホップについて触れられている部分が話題となっている。

カートは「俺はラップのファンだよ、でもそのほとんどが俺には耐えられないほど女性蔑視的だ。だからそこまでファンて訳でもないけど、オリジナルな音楽フォームだから尊敬してるし好きだ」と、ラップのミソジニックな部分は受け付けないもののオリジナルな音楽性を愛していると語っている。しかし、「白人のラップは白人のダンスを見るようなものだ。俺たちはダンス出来ないし、ラップも出来ない」とも述べており、ラップは完全に黒人だけのためのものであると考えていたようだ。

同じく1991年にBillboardによって行われたインタビューにもカートがラップについて語っている部分があり、彼はそちらでも白人がラップをすることへの嫌悪感を露わにしている。「俺は、ラップはパンク以降で最も重要な音楽フォームだと思っている。でも俺はラップしないよ。ラップをする人々は良いと思うけど、俺はいつもVanilla Iceのような人間にむかついてる。白人が黒人から何かを奪うのはもううんざりだ。白人たちはラップをアフリカ系アメリカ人だけのものにしておくべきだよ。上手いし、彼らにとって重要なものなんだから」という言葉からは、90年代初頭にポップな白人ラッパーとして人気を博していたVanilla Iceのような存在が黒人のアイデンティティを脅かしていると彼が考えていたことが分かる。

ちなみに、カート・コバーンが遺した直筆のフェイバリットアルバムリストにはPublic Enemyの『It Takes a Nation of Millions to Hold Us Back』が入っている。Public Enemyのようにシリアスなラップが好みだったことが彼のラップ観に強く影響していたのかもしれない。

言うまでも無く現在のラップシーンには白人のラッパーも数多く存在しているが、故Lil Peepを始めその中の多くがカート・コバーンにオマージュを捧げている。自身に影響を受けた白人ラッパーがポピュラーとなった現在のシーンに対して、天国のカートはどのように考えているのだろうか。

RELATED

ニューヨーク・ポスト紙のアプリがハッキングされ、Nirvanaの曲の歌詞をユーザーに送りつける

保守的なタブロイド紙として知られるニューヨーク・ポスト紙のアプリが、4/1に何者かにハッキングされ、ユーザーにプッシュ通知でNirvanaの楽曲の歌詞を送りつけるという事件があった。

カート・コバーンが使用したギターがオークションで出品 | 売上の10%はホームレス支援団体に寄付

カート・コバーンが使用したギターがホームレス支援のチャリティー・オークションに出品され、600万円以上の値をつけている。

【Interview】日本一のNirvana Tシャツコレクターに聞く、バンドTシャツの世界

Nirvanaの代表作『Nevermind』は今年2016年でリリースから25年となる。そして来年は故カート・コバーンの生誕50年の年で、バンドにとってのアニバーサリーイヤーが続いている。かたやファッション業界では現在ロックTシャツのブームが続いており、数あるバンドの中でも特にNirvanaの人気はすさまじいという。

MOST POPULAR

音楽を聴いて鳥肌が立つのは特殊な脳の構造を持つ人だけが経験できるという研究結果

音楽を聴いて鳥肌が立つ、という体験をしたことがあるだろうか。もしあるならば、あなたはとてもラッキーな経験をしている。

大人になってからの音楽の好みは14歳の時に聴いた音楽で形成されている

私たちの音楽の好みは14歳の時に聴いた音楽によって形成されていると、研究により明らかになった。

Appleの重役がiTunesの音楽ダウンロードが終了することを認める

ついにその日が来てしまうのだろうか。先日発表されたアメリカレコード協会(RIAA)の2017年末の収入報告でもデジタルダウンロードの売り上げが2011年以来6年ぶりにCDやアナログレコードなどの売り上げよりも少なくなったと発表されたが、ちょうどそのタイミングでApple Musicの重役のJimmy Iovineが、iTunesストアの音楽ダウンロードが、終了する見込みであることをBBCの取材に対して認めている。