ストリーミングで儲かるアメリカのメジャーレーベル|ユニバーサルとソニーは1時間毎に50万ドルの収益をあげていると判明

『Music Business Worldwide』がユニバーサルミュージック(UMG)とソニーミュージックの今年の上半期の決算結果を分析した。今年1月~6月の2社のストリーミングによる収益の合計は2600億円以上。計算すると1時間ごとにストリーミングだけで50万ドル(約5500万円以上)の収益を得ていることになる。

音楽のメジャーレーベル最大手のUMGとソニーミュージック。今年の上半期のストリーミングによる収益はUMGが約1550億円。前年比34%増。ソニーミュージックが約1050億円で前年比39%増。

この2社のストリーミング(Spotify, Apple Music, YouTube, Amazon Music, Pandoraなど)による収益の合計は、今年の上半期だけで2600億円以上。これはすなわち1週間で約120億円。1日で約14億円。1時間ごとに約5500万円収入をストリーミングだけで稼いでいるということである。

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青がソニーミュージックで、赤がUMGの今年上半期の売上である。(100万ドル単位)。左がストリーミングのみの売上で、右がフィジカル販売やダウンロード販売など全てのフォーマットを含めた合計の売上。

上記の図を見るとどれほどストリーミングが音楽産業の利益に貢献しているか一目瞭然である。ストリーミング以外も含めた音楽全体の売上の2社の合計は約5000億円。ストリーミングサービスが普及する直前までは、CD売上の不況や音楽産業の衰退が嘆かれていたが、再び音楽市場は回復しているようだ。

ちなみにUMGによると、今年の上半期の最も音楽で稼いだ男はPost Maloneとのことだ。

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