Nasの『Nasir』のカバーアートとトラックがThe Architectから剽窃したものである可能性が浮上

6月にKanye Westがプロデュースした5作品の内の一つとして発表されたNasのアルバム『Nasir』。同作のカバーアートとトラックが他のプロデューサーからの剽窃ではないか、との疑惑が持ち上がっている。

『Nasir』のカバーアートはフォトジャーナリストMary Ellen Markが撮影したもので、Nasはこの写真を「子供たちは俺たちの未来だ」というキャプションをつけて紹介していたが、実はその4日前に同じ写真をアートワークに使用したアルバムがリリースされていたのである。

ラッパーNowaah the Floodのアルバム『Trill Life Mathematics』はプロデユーサーのThe Architectがプロデュースしたもので、編集などは異なるものの殆ど同じデザインであることがわかる。

『Trill Life Mathematics』をプロデュースしたThe Architectは初期のStones Throw Recordsなどでも活動していたベテランのプロデューサーで、CoolioやPlanet Asiaのトラックを手がけるなど、西海岸を代表するプロデューサーの一人である。
彼は昨年10月に『The Architect×Nasty Nas』というNasのクラシックを非公式にリミックスするというアルバムをBandcampにて発表している。同アルバムに収録された”No Idea’s Original”のトラックは、『Nasir』のリスナーにとって非常に聴き覚えがあるように感じられるはずだ。

このトラックはイランのミュージシャンKourosh Yaghmaeiの”Gole Yakh”という曲をサンプリングして作られたものだが、なんと『Nasir』の6曲目”Adam and Eve”に全く同じサンプルが使用されているのである。

もちろん”Adam and Eve”はKanye Westがプロデュースしたものとされており、The Architectの名前はクレジットされていない。

The ArchitectはComplexのインタビューにおいて今回の件に関するコメントを発表している。

「『Nasir』とよく似たアートワークを使用したアルバムをリリースしていたが、あの写真はどうやって見つけたのか」と尋ねられた彼は、「Nowaah the Floodが持ってきたんだ。彼はダラス出身で、あの写真もダラスで撮影されたものだから、使うには十分な理由があった。写真にもう少し手を加えようと思って、暗くして少しだけスパイスを加えた。それで、アルバムをBandcampにアップロードしたのが6月10日だ。『Nasir』がリリースされる4日前だよ」とコメントしている。

また、彼は「”No Ideas Original”のトラックに使用したサンプルはどのようにして見つけたのか」という質問に対して「レコード箱をディグして見つけたんだ。俺のトラックメイキングの基礎だよ。他のプロデューサーがあのサンプルを使っているのは聴いたことがない」と答え、「リミックスアルバムの存在をNasは知っていたのか」という質問には「全くそんな気配はなかった。俺はアルバムをプロモートしようとNasやMass AppealにTwitterでリプライを送ったんだが、十分な反応は得られなかったんだ」と、アルバムを作ったことは報告したもののNas側からのリアクションが無かったことを明かした。

The Architectは今回の件について、「偉大な思考は同じような物になっていくとは思うが、ここまで一致するのは奇妙だと思う。Nowaah the FloodはMass Appealと仕事をしていたし、Nasたちが彼のことを知らなかったとは思えない。それでも俺たちはアンダーグラウンドで活動していて、使った素材はインターネットから取ったものだから俺たちの物だと言うことは出来ない。俺は人を攻めることが嫌いだし、悪い感情は無いよ」と、Nas側に対して抗議をする意思は無いとしている。

偶然と呼ぶには余りに無理があるこれらの類似だが、この件に関して今後NasやKanyeがコメントすることはあるのだろうか?

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