fav to fav Vol.1 Zen Source Clothing | 服をアートの側面から提案する新世代ショップ

FEATURED  2017.05.07  FNMNL編集部

新企画『fav to fav』。FNMNLが気になるショップが、気になるショップを教えてもらい、お店のこだわりや、注目すべきポイントについて話を聞く企画。今回は1回目ということで取材陣が気になるお店に行ってきました。

東京・渋谷、桜丘町のビルの二階にひっそりと構えられた倉庫のような部屋。約1年前にオープンして以降、密かに注目を集めているアンダーグラウンドなショップZen Source Clothingがある。オーナーのHOKKIEEさんにお店について話を聞いた。

取材・構成 : 西原滉平

写真 : 長井日菜子

- 店舗で展開しているアイテムを説明してもらえますか。

HOKKIEE - 店で展開するアイテムには三つ軸があって、一つはHelmut Lang(ヘルムート・ラング)やHussein Chalayan(フセイン・チャラヤン)などのデザイナーブランドのアーカイブ、二つ目は今の新しいブランド、三つ目は機能性に焦点を当てた古着、ですね。新品は17ssの段階ではChalayan、Collina Strada(コリーナ・ストラダ)、あと、武蔵野美大のイダケンセイさんの服を置く予定ですね。古着に関してはもちろんパターンやディテールの美しさが前提です。新しいブランドの服も、あくまで古着と相性のいいものをセレクトしています。古着とデザイナーズの新品の境をなくしたいという気持ちがあります。だから古着と新品を同じラックで隣に置いたりしますし。そして三つのどれか一つを見にきているお客様に、他の二つの軸も新しくお見せしたいという意図はありますね。両方に目を向けさせるというか。

- この規模のショップで、しかもお一人でやっているのを考えると、かなりのアーカイブの収集、品揃えだと思います、どういうところから仕入れているのですか。

HOKKIEE - 昔から集めていたというのもありますが、NYのThrift Store(スリフト・ストア)で買ってきたものだったり、日本や海外のコレクターに連絡を取って譲っていただいたものだったり、ブランドの工場があった国のディーラー的な人に連絡して集めたものもあります。基本的に誰かから紹介されたコネクションではなく、自分の足とネットの海を使って集めました。

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- ショップのコンセプト、伝えたいことというのは?

HOKKIEE - 服を服としてだけではなくて、アートの側面から提案したいというのが根底にあります。自分は服を絵画や音楽などと対等に扱っていいものだと思っているので。日本だとまだ服をそこまで美術としては見ていないなと感じるので、そこを変えていきたいなとは思いますね。店の名前のSourceってのは、デザイナーのデザインソースになればいいなという思いからです。最初デザイナー向けに卸だけでやろうかなと思っていたぐらいなので(笑)。でもありがたいことに、その予定通りデザイナーの方々には来ていただいてます。

- アートとファッションの優劣関係というのはよく語られますし、現在多くの人にはファッションよりアートの方が高尚なものだと感じられているのではないかと思いますが。

HOKKIEE - それに関しては、僕は同列という捉え方ですね。別に、良い服は額縁に飾ってもいいじゃん、と思ってます。というか、いまの服の立ち位置が日本だと低すぎる気がして。そこを変えないと現在の日本のデザイナー達は今後どうにもならないんじゃないかと思います。

- アパレルで働いた経験は全くないとお聞きしましたが、服はどのように知っていったのですか。また、美意識に影響を与えたものとは。

HOKKIEE - 2、3歳の頃から服は好きでした。まず色から入ったんですよね。当時の自分にとっては自分の好きな色を表現する手段として服が一番手取り早かったんです。その後、パターンやシルエットに興味が出てきました。中学高校の頃には海外のファッション誌のバックナンバーを片っ端から集めて読んでいました。High Fashionやgap Pressに関してはほぼ全部集めたんじゃないかな。そこに自分の解釈も加えながら。また、中学は普通に地元の大阪の公立だったんですけど、つまらなくて(笑)。毎週末大阪市内にいって映画館と古着屋をとにかく回っていました。学校ある日も終わったら速攻で家帰って着替えて出かけたり。小さい頃からすごく映画を見ていたのでそこから影響された美意識も大きいです。映画では英語の土台もできました。3、4歳からスターウォーズやマッドマックスとか見てました(笑)。また、好きなカルチャーや音楽などはNYのものが多いですが、自分の実際のスタイリングとしては西海岸のスケーターのノリに落とし込むことが多いです。

- わかりづらい場所にあると思うんですが、店構えに関してこだわりは?

HOKKIEE - 特にないですね、渋谷で部屋探していたらたまたまここで笑。セレクトで人を呼ぶ自身はあったので渋谷で駅から遠くなければどこでもいいやと。

- 近年は他のショップでもアーカイブの展示などが増え、ファッション誌でも特集を組まれることが多くなっています。そのようにアーカイブが注目を浴びている流れに関してはいかがですか?

HOKKIEE - 別にあまり気にしていないというか、実際ものが良いから評価されて当然かなという感じです。そこはむしろ自然に感じます。

- 店に置いてる服と自分の着る服は同じですか?

HOKKIEE - ほとんど自分が着たいと思うものを置いてます。じゃないとリアルじゃないと思うし。そう無くなってしまったら他の店と同じ

Zen Source Clothing

- ファッションの世界にのめりこむきっかけになったコレクションなどはありますか?

HOKKIEE - 特に誰かのショーを見てっていうわけではなく、古着から入ったんですよね。どちらかというと服単体で見ていて、それを掘り下げていくうちにモードの世界に入っていったっていう感じです。当時は古着を見ていたけど、古着だけじゃ補えない部分が出てきて、デザイナーズ買ってみよう、と。ミックスする感覚が昔からありました。

- 自分は着なくてもコレクションなど見ていいなと思うブランドはありますか?

HOKKIEE - んー、でもやはり自分が着るのが前提になっているのであまりないです。惹かれるブランドは、毎シーズンいろいろ作るなかでも、ずっと同じものも作り続けていて、ビジネス的にもブレないブランドです。今好きなのはほとんどUKの若手と、あとRick Owens(リック・オウエンス)、Craig Green(クレッグ・グリーン)も好きですね。毎回同じものを作り続けているし。最近だとNazir Mazhar(ナジール・マザー)なんかも好き。パターンがすごく凝ってるし、ショーで使われているDJもいいし。でも今のデザイナーズで一番好きなのはMarques’Almeidaマルケス・アルメイダ)です。今季もウン十万分買っていました(笑)。やっぱり実際に自分も手にとって着るブランドですね。

- Marques’Almeidaのどこが好きですか?

 

 

HOKKIEE - デニムがもともとすごく好きというのはあります。でもやっぱりアイテム単体から入ることが多いかも。僕はメンタルの部分として、省けるものは徹底的に省くスタイルなんです。自分が本当に好きな分野に考える時間を回したいし、その他の部分に無駄な時間を割きたくなくて。ご飯とかもある程度の自分のレパートリーの中から同じものをバーっと作るし、服に関しても同じのを沢山買うのが好きで。先ほども言ったんですが、マルケスはコレクションを発表しながらも同じものを作り続けている、そういうところが自分のメンタルの部分と合ったんだと思います。

- 次これが来るんじゃないかというものはありますか?

HOKKIEE - 最近の流れを見てると、まずミリタリーが完全に定番になっていって、その上で次第にワークも定着していくんじゃないかないですかね。個人的には、今推しているのは褪せた色です。洗って落ちてきた色などですね。ケミカル・ウォッシュとかも、オレンジなどの変わった色味のケミカルは気になっています。

- NYの空気感がバックグラウンドにあるようですが、NYで好きなショップはありますか?

HOKKIEE - 雰囲気でいうとAssembly New Yorkが好きです。空間の作り方がいつ行ってもうまいなあと感心します。

Zen Source Clothing

 

- 音楽にもこだわりがあるようですが、今お勧めの音楽があれば教えていただきたいです。

HOKKIEE - フィラデルフィアをベース活動してる友達なんですけど。昔日本に住んでて友達になったんです。この子の周りのDJもおもしろい。この子の友達のレーベルがCLUB CHAI。 他は、ブログでも書いたけどやっぱNight Slugs辺りは好きかな。ジャンルでいうとディープハウス、ポストダブステ、ジューク、R&B辺りが好き。アンダーグラウンドな雰囲気が音から感じられるものが好みですね。

今は仲良しのDJに依頼して店内用のミックステープを作ってもらっていて。それを今後は定期的に続けられたらいいですね。あとアメリカの交流のあるDJたちと、昼間はうちの店のポップアップをして夜はパーティーやる、みたいなことをやっても面白いなと思っています。服以外のこともやってみたいですね。

- メディアに求めることはありますか?

HOKKIEE - もっと持論を展開して、個々の意見をバンバン言えばいいのになとは思います。すごく無機質なメディアが多くなったので、思ったことをもっと自由にストレートに書いてもいいのにと思います。

- この企画はショップのオーナーさんに注目されているショップをお聞きして、次回その店舗にお話を聞きに行くという趣旨です。HOKKIEEさんの現在注目されているショップはありますか?

HOKKIEE - 東京・上町にあるLeather and Laceさんです。造詣の深さを感じられるセレクトと熱量のある商品紹介文など、注目しています。

- 最後に、今後の目標をお聞きしたいです

HOKKIEE - NYにも店を出したいです。ベースを東京に置く必要はないと思っています。あとは、服以外にも店を広げていくことも視野に入れています。例えば飲食や音楽、興味があります。やるなら全て妥協なしでやりたいです。

Zen Source Clothing

online store:https://zensclohing.thebase.in

Instagram:https://www.instagram.com/hokkiee/

Tumblr:https://zensourceclothing.tumblr.com

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