RolandのTR-8でTR-606のサウンドが再現可能に

CULTURE  2016.06.10  FNMNL編集部

Rolandが生みだした名機、TR-808/TR-909の現代版として開発されたRoland AIRA TR-8。同機には拡張音源7X7-TR8がオフィシャルで用意されているが、新たな拡張音源が追加されることがアナウンスされた。

RolandがFacebookで今回発表したのはTR-606のサウンドが7X7-TR8の一部として提供されるということ。これでTR-8によって再現できる音の幅も広くなり、機材としての価値があがることになるだろう。

 

またTR-8の元になったTR-808といえばただのドラムマシンではないのは知っている方も多いだろう。このTR-808を元にしたドキュメンタリー映画『808』が作られるほど、まさに音楽シーンの歴史を作ったマシンといえる。

では808はどのように歴史を変えたのか、簡単に紹介していきたい。もともと808が発売された当初はドラムの音の音色が生楽器とは違ったためセールスは不調で1983年には発売中止の憂き目にあっている。ただセールスが不調だったことが後の歴史を作ったともいえるのだ。

当時808は低価格で手に入れることができたのが幸いし、予算を持っていなかったアーティストや若いプロデューサーたちがこぞって手に入れるようになる。その中にデトロイトテクノシーンの創始者の1人であるJuan Atkinsやヒップホップシーンのサウンド形成に大きな影響を与えたAfrika Bambaataが808を取り入れたサウンドを作り始める。テクノとヒップホップ、その先30年以上もエレクトロニックミュージック、ブラックミュージックのメインストリームを作り出すジャンルの歴史は808の存在をなくしては始まらなかったかもしれないのだ。

 

この"Planet Rock"は808のサウンドを印象付けた代表曲といっていいだろう。またテクノやこの当時のヒップホップには宇宙や未来を志向するムードがあったこともより808の存在価値を高めただろう。なぜなら未来の音を表現するためには、生っぽい音より、これまで聞いたことのなかった音で曲を作る方が都合がいいからである。

Afrika BambaataやJuan Atkinsなどが用いた革新的なサウンドはその後も数多くのプロデューサーたちが使っていく。そして彼らは実際の808の音を使ったわけではなく、808を使ったレコードの音をサンプリングしたりソフトウェアで808の音を使っていった。808の実機がすぐに生産中止になったことで後のプロデューサーはそういった手段をとるしかなかったのだが、サンプリングされたりソフトウェアで再現されることで808のサウンドはその時代に合った音に調整されることで、発売から30年以上経った今もシーンの最前線で使われているのである。

現在のUSのヒップホップシーンのサウンドのトレンドを作っているビートメーカー集団の名前は808 Mafia、そう彼らも自分たちのクルーの名前に808の名前を冠するほど今尚強い影響力を持っている。そして彼らの作るソリッドに磨き上げられた808のビートは人気ラッパーたちのフロウが乗ることで今日もUSや世界でプレイされ続けている。

TR-808の弟分として開発されたTR-606の独特のノスタルジックな音色を求めている人も少なく無いはず。これを機にTR-8の導入を考えてみてはいかがだろうか。オフィシャルサイトはこちら

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